列缺まとめ:効能・取穴・関連症状
名称
- 和名:列缺(れっけつ)
- 経穴:手の太陰肺経(LU7)
- 英名:Lieque (LU7)
取穴(位置・取り方)
- 前腕前橈側、手関節掌側横紋の上方1.5寸、橈骨茎状突起の上方、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間に取る。
- 橈骨茎状突起を探し、そのすぐ上で骨際の陥凹を触れるとわかりやすい。
- 八脈交会穴として「任脈」と通じることでも有名。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:長母指外転筋腱・短母指伸筋腱の間。
- 神経・血管:橈骨動脈、橈骨神経浅枝が近接。刺鍼時に血管走行へ配慮が必要。
東洋医学的機能(要点)
- 発汗・解表:風邪の初期(悪寒・発熱・咳嗽・鼻水)に用いる。
- 宣肺作用:咳嗽、気管支炎、喘息など呼吸器症状に有効。
- 通絡・鎮痛:頭痛、項強、顔面麻痺に応用。
- 任脈を調整:婦人科系症状や泌尿器症状に広く応用可能。
臨床応用(呼吸器疾患・頭頸部症状など)
- 風邪・感冒:列缺(LU7)+合谷(LI4)で発汗・解表を促し、風邪初期に有効。
- 呼吸器疾患:咳嗽や喘息に、列缺(LU7)+尺沢(LU5)+肺兪(BL13)。
- 頭痛・項強:列缺(LU7)+風池(GB20)+天柱(BL10)。
- 顔面神経麻痺:列缺(LU7)+地倉(ST4)+頬車(ST6)+翳風(TE17)。
- 婦人科・泌尿器系:列缺(LU7)は八脈交会穴として任脈に通じるため、関元(CV4)・気海(CV6)と併用して月経不調や頻尿に用いる。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ(初心者向け):
- 橈骨に沿って斜刺(橈骨方向に約0.3–0.5寸)。
- 直刺の場合は0.3–0.5寸(約5–10 mm)程度。
- 血管や神経への強い刺激を避ける。
- 保持時間:10–15分程度。感冒初期では軽刺激、慢性呼吸器疾患ではやや長めに置鍼。
- 灸法:知熱灸や温灸を加えると慢性の咳や冷えを伴う呼吸器症状に有効。
禁忌・注意
- 血管や神経が近いため、深刺や強刺激を避ける。
- 刺鍼中に電撃様の痛みやしびれがあればすぐに抜鍼。
- 急性の高熱や炎症部位には灸は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
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