天柱まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:天柱(てんちゅう)
  • 経穴:足の太陽膀胱経(BL10)
  • 英名:Tianzhu (BL10)


取穴(位置・取り方)

  • 後頭部、後頚部の髪の生え際(後髪際)で、僧帽筋外縁、外後頭隆起の外方1.3寸に取穴。
  • 風池(GB20)のやや内上方、後頚部のくぼみに位置する。
  • 「頭頚部疾患の要穴」として、頭痛・めまい・頚部緊張に頻用される。


解剖(近接構造)

  • 皮下には僧帽筋、頭半棘筋。
  • 深部には後頭下神経、大後頭直筋、小後頭直筋。
  • 血管:後頭動静脈。
  • 重要構造:延髄に近接するため、深刺は禁忌。


東洋医学的機能(要点)

  • 熄風通絡:頭部の風邪を鎮め、経絡の気血を通す。
  • 清頭明目:頭痛・めまい・眼精疲労に応用。
  • 寧神安眠:不眠・精神不安の調整に有効。
  • 舒筋止痛:首肩こり、頚部緊張性の痛みに適応。


臨床応用(関連症状)

  • 頭部症状:頭痛・めまい・頭重感。
  • 目の症状:眼精疲労・かすみ目・視力低下。
  • 耳の症状:耳鳴り・難聴・めまい。
  • 頚肩部症状:肩こり・頚部痛・後頚部のこわばり。
  • 精神神経症状:不眠・不安・自律神経失調。


刺鍼法(安全重視)

  • 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm
  • 刺入方向と深さ
    • 斜刺:後頭骨に沿って0.3–0.5寸(約10–15mm)。
    • 深刺は延髄損傷の危険があるため避ける。
  • 操作:軽度の補瀉、頚肩こりには捻鍼が有効。
  • 保持時間:10–15分。
  • 灸の使用:温灸で首肩こり・頭痛に有効。


禁忌・注意

  • 延髄に近接するため、直刺・深刺は厳禁。
  • 高血圧や動脈硬化症患者には刺激量を調整する。
  • めまいや失神の既往がある場合は、座位より伏臥位が安全。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション



※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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