内関まとめ:効能・取穴・関連症状
名称
- 和名:内関(ないかん)
- 経穴:手の厥陰心包経(PC6)
- 英名:Neiguan (PC6)
取穴(位置・取り方)
- 手首の掌側、手首の横ジワ(手関節横紋)の中央から肘方向へ約2寸(指3本分)上。
- 長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間の陥凹部に取る。
- 覚え方:手首を軽く曲げて2本の腱を浮き上がらせ、その間に指3本を置いた高さ。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋:長掌筋・橈側手根屈筋の間。
- 神経:正中神経が近くを走行。
- 血管:橈側皮静脈や正中前腕皮静脈の枝が走行。
東洋医学的機能(要点)
- 心を安定させる(安心作用):不安・不眠・精神緊張の改善。
- 気血の流れを整える:胸部の気滞を散らし、心胸部の不快感を改善。
- 胃腸の調整:悪心・嘔吐・しゃっくりに有効。
- 心包経の代表的な要穴であり、心・胸・胃に広く作用する。
臨床応用(乗り物酔い・胸部症状など)
- 乗り物酔い:内関は酔い止めバンドでも使われる有名なツボ。
- 胸痛・動悸:ストレス性や不安による胸部圧迫感に有効。
- 消化器症状:悪心・嘔吐・しゃっくりに用いる。
- 他適応:不眠、イライラ、めまい、胃炎、胃痙攣。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.12–0.20mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 皮膚に対して直刺、深さ0.5〜1寸(約10〜25mm)。
- やせ型は浅め、体格の良い人はやや深め。
- 操作:軽く捻鍼や雀啄で響きを確認。胸部症状にはやや強め、消化器症状には軽めの刺激がよい。
- 保持時間:10〜20分(症状により変動)。
- 注意点:正中神経が近いため、強い電撃痛が出た場合はすぐに抜鍼する。
禁忌・注意
- 過刺激による神経損傷に注意。
- 妊娠中は基本的に使用可能だが、強刺激は避ける。
- 皮膚炎・感染部位は刺鍼を控える。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
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