名称
- 和名:膻中(だんちゅう)
- 経穴:任脈(CV17)
- 英名:Shanzhong (CV17)
取穴(位置・取り方)
- 前胸部、両乳頭を結ぶ線の中点、前正中線上に取穴。
- 男性では第4肋間レベル、女性では乳房の形によって目安を調整する。
- 「気会」と呼ばれ、宗気・心肺の働きに深く関わる要穴。
解剖(近接構造)
- 皮下に大胸筋、肋間筋。
- 深部には胸膜・肺があり、深刺は危険。
- 血管:内胸動静脈。
- 神経:肋間神経前皮枝。
東洋医学的機能(要点)
- 理気寛胸:胸部の気滞を解消し、胸痛・胸悶を改善。
- 宣肺止咳:咳嗽・喘息に用いる。
- 寧心安神:心悸・不安感・ヒステリー症状に。
- 通乳下乳:乳腺炎・乳汁分泌不全に適応。
臨床応用(関連症状)
- 呼吸器疾患:咳嗽・喘息・気管支炎。
- 循環器疾患:心悸亢進・動悸・胸痛。
- 精神神経症状:不安・抑うつ・ヒステリー。
- 乳腺症状:乳汁分泌不全・乳房緊満・乳腺炎。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ15–30mm
- 刺入方向と深さ:
- 平刺:0.3–0.5寸(約5–15mm)、胸壁に沿って浅く刺入。
- 直刺・深刺は絶対禁忌(気胸のリスク)。
- 操作:軽い補法または平補平瀉。
- 保持時間:10–15分。
- 灸の使用:台座灸・棒灸で胸部を温めると効果的。直接灸は避ける。
禁忌・注意
- 直刺・深刺は気胸を起こす危険があるため厳禁。
- 乳房トラブル時の施術は炎症の程度を考慮する。
- 授乳中は刺激量を適切に調整する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 咳嗽・喘息:膻中(CV17)+中府(LU1)+列缺(LU7)。
- 心悸・不安:膻中(CV17)+内関(PC6)+神門(HT7)。
- 乳汁分泌不全:膻中(CV17)+少沢(SI1)+肩井(GB21)。
- ヒステリー・抑うつ:膻中(CV17)+百会(GV20)+太衝(LR3)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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