少沢まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:少沢(しょうたく)
  • 経穴:手の太陽小腸経(SI1)、井金穴
  • 英名:Shaoze (SI1)


取穴(位置・取り方)

  • 小指の尺側爪甲角の近位外側、爪甲の角から約0.1寸のところに取る。
  • 爪の外側角を目安にする。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 神経:尺骨神経の末梢枝。
  • 血管:指背動静脈網。


東洋医学的機能(要点)

  • 通経作用:小腸経の経絡を通じ、経気の流れを開く。
  • 催乳作用:乳汁分泌を促進する。
  • 清熱作用:小腸の熱をさまし、咽喉や目の熱症状を改善。
  • 意識回復:意識障害や昏厥時に用いられる。


臨床応用(乳汁分泌・咽喉腫痛・意識障害など)

  • 産後の乳汁分泌不足には、少沢(SI1)を膻中(CV17)、乳根(ST18)と組み合わせると乳汁の分泌が促されます。
  • 咽喉の腫れや痛み、口内炎などには、少沢(SI1)を少商(LU11)商陽(LI1)と合わせて用い、清熱・消炎効果を高めます。
  • 昏厥や意識障害時には、少沢(SI1)を水溝(GV26)、少商(LU11)と組み合わせて救急的に用いることがあります。
  • 乳腺炎や乳房の腫脹・疼痛には、少沢(SI1)を天宗(SI11)と併用すると効果的です。



刺鍼法(安全重視)

  • 刺入方法:浅刺または点刺で微量の出血を得ることが多い。
  • 灸法:温灸・知熱灸が可能。乳汁分泌不足には灸を応用。
  • 注意点:深刺は不要で、衛生管理を徹底する。


禁忌・注意

  • 乳汁分泌を抑えたい場合(断乳時など)には刺激を避ける。
  • 出血傾向のある患者への点刺は注意が必要。
  • 感染予防のため、刺鍼時の消毒は必須。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 少沢(SI1)は「乳汁分泌を促す特効穴」として広く知られています。特に産後の乳汁不足や乳腺炎に有効で、膻中(CV17)、乳根(ST18)と併用することで効果が高まります。
  • 咽喉痛や口腔内の熱症状には、清熱の井穴である少商(LU11)商陽(LI1)と組み合わせることで、急性期の炎症に即効的な効果を狙えます。
  • 急性の意識障害や失神には、水溝(GV26)、少商(LU11)とともに応急処置的に用いられ、経気を開き神志を回復させるとされています。
  • 婦人科や産科領域での使用頻度が高く、乳汁分泌不足や乳腺炎には、少沢(SI1)を局所の天宗(SI11)と併用することで治療効果が安定します。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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