名称
- 和名:天宗(てんそう)
- 経穴:手の太陽小腸経(SI11)
- 英名:Tianzong (SI11)
取穴(位置・取り方)
- 肩甲骨の肩甲棘下窩中央に取る。
- 肩甲骨内縁と外縁を結ぶ線のほぼ中点、肩甲棘下窩の最も深い陥凹に位置する。
- 肩甲骨を触診し、肩甲棘の下方で僧帽筋と棘下筋の間を確認すると分かりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、僧帽筋。
- 深層:棘下筋、広背筋の一部。
- 神経:肩甲上神経、腋窩神経の枝。
- 血管:肩甲上動脈、肩甲回旋動脈の枝。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 肩背の疏通:肩背部の気血を巡らせ、経絡を開く。
- 疼痛を緩和:肩甲部・背部のこわばりや痛みに用いられる。
- 肺気を調える:肩背部に位置することから、呼吸機能とも関連して用いられた。
古典的応用例
- 肩関節疾患:五十肩、肩周囲炎、外傷後の可動制限。
- 背部疾患:肩甲間部の張り、背中のこわばり。
- 呼吸器症状:喘息、咳嗽などに応用されたとされる。
- 乳腺疾患:乳腺炎や乳汁分泌不全に用いられた記載もある。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺または斜刺。
- 刺入深度:0.5〜1.0寸程度。
- 注意点:深刺すると胸腔に達するおそれがあるため、鍼を肋骨に沿わせるなど慎重に行う。
※本記事は古典的記載に基づく教育的まとめであり、現代医療的効果を保証するものではありません。施術は必ず有資格者が行ってください。
禁忌・注意(参考)
- 深刺で気胸の危険があるため、角度と深さに十分配慮する。
- 痩せ型の人や胸郭が浅い人は特に注意。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 肩関節可動域制限:肩髃(LI15)、臑兪(SI10)、肩貞(SI9)とあわせ、肩関節周囲の柔軟性回復を図る。
- 肩背部痛:肺兪(BL13)、心兪(BL15)と組み合わせ、肩背部の気血を調える。
- 呼吸器症状:膻中(CV17)、肺兪(BL13)とあわせ、咳嗽・喘息への古典的応用がある。
- 乳腺疾患:乳根(ST18)、乳中(ST17)と組み合わせ、乳汁分泌調整に用いられたとされる。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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