臑兪まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:臑兪(じゅゆ)
  • 経穴:手の太陽小腸経(SI10)、陽蹻脈・陽維脈の交会穴
  • 英名:Naoshu (SI10)


取穴(位置・取り方)

  • 肩甲棘外端と上腕骨大結節の間にある陥凹部に取る。
  • 肩を自然に下垂させた状態で、肩髎(TE14)の後方、肩甲棘の外端直下のくぼみを探すと分かりやすい。
  • 肩関節運動時に陥凹が明瞭になり、触診で確認できる。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚、三角筋後部。
  • 深層:棘上筋、棘下筋、小円筋。
  • 神経:腋窩神経、肩甲上神経。
  • 血管:肩峰回旋動脈、肩甲上動脈の枝。


東洋医学的機能(要点・古典的記載)

  • 肩臂の気血を調える:肩関節の動きを改善し、経絡を通じさせる。
  • 外邪を祓う:風寒湿による肩背の障害に対して用いられるとされる。
  • 経脈交会の要穴:小腸経と陽蹻脈・陽維脈が交わるため、肩背部から上肢にかけての広い症状に応用される。


古典的応用例

  • 肩関節疾患:五十肩、肩関節周囲炎、外傷後の可動制限。
  • 上肢症状:麻痺、筋力低下、しびれなどの経絡性障害。
  • 背部疾患:肩背部の硬直感、上背部の運動障害。


刺鍼法(古典的記載・参考)

  • 刺入方向:直刺または斜刺。
  • 刺入深度:0.8〜1.2寸程度。
  • 注意点:深部には肩甲上神経や血管が走行するため、過度な深刺は避ける。

※本記事は古典的記載に基づく教育的まとめであり、現代医療的効果を保証するものではありません。施術は必ず有資格者が行ってください。



禁忌・注意(参考)

  • 深刺による神経損傷や血管損傷に注意。
  • 肩部の炎症が強い場合や急性外傷直後は直接刺激を避ける。


臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)

  • 肩関節可動域制限肩髃(LI15)肩貞(SI9)肩髎(TE14)と組み合わせ、肩周囲の気血の巡りを促す。
  • 上肢麻痺・運動障害曲池(LI11)合谷(LI4)とあわせ、上肢の経絡を通じさせる。
  • 肩背部のこわばり:大杼(BL11)、心兪(BL15)と組み合わせ、肩背部の経気を調える。
  • 慢性的な肩痛:灸法を併用し、冷えや血行不良を改善する目的で用いられた。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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