名称
- 和名:肩髎(けんりょう)
- 経穴:手の少陽三焦経(TE14)
- 英名:Jianliao (TE14)
取穴(位置・取り方)
- 肩関節外側部、肩峰外端と上腕骨大結節の間の陥凹部に取る。
- 肩髃(LI15)とほぼ同じ高さに位置し、肩を外転すると明確にくぼみが現れる。
- 肩関節の運動障害や局所の疼痛に応用される要穴。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:三角筋、棘上筋。
- 神経:腋窩神経、肩甲上神経の枝。
- 血管:後上腕回旋動脈、肩峰枝。
- 関節:肩関節包。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 舒筋活絡:筋肉・経絡を通じさせ、肩関節のこわばりを緩和する。
- 祛風散寒:肩背部の風寒湿による疼痛や拘急を散らすとされた。
- 利関節止痛:肩関節の痛みや運動障害に応用される要穴とされる。
古典的応用例
- 肩関節疾患:肩背部の強直、挙上困難。『鍼灸甲乙経』に肩背の拘急・痛みに用いるとの記載。
- 上肢疾患:腕の挙上障害やしびれ。
- 風湿痺:肩部の風寒湿による痛み・運動制限に応用された。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:直刺または斜刺、0.8〜1.2寸。
- 古典的記載:肩関節痛や挙上困難に有効とされた。
- 灸法:局所の冷えや慢性肩痛に温灸が行われた。
※本記事は古典文献に基づく参考まとめであり、現代医学的効果を保証するものではありません。刺鍼の際は肩関節包や神経・血管の走行に注意が必要です。
禁忌・注意(参考)
- 過度の深刺は神経・血管や関節包を損傷する可能性がある。
- 急性炎症期には過度な刺激を避ける。
- 高齢者や体力の弱い方には軽刺激を基本とする。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 五十肩・肩関節周囲炎:肩髃(LI15)、巨骨(LI16)と組み合わせて肩の可動域の改善を図った。
- 肩背の痛み:天宗(SI11)、魄戸(BL42)と併用し、肩甲背部の疏通を促す目的で配穴された。
- 頸項部の拘急:風池(GB20)、合谷(LI4)と組み合わせて、風寒による肩頸部の硬直に応用された。
- 上肢の運動障害:曲池(LI11)、手三里(LI10)と併用し、手の陽明・少陽経の気血を疏通させる工夫がなされた。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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