名称
- 和名:手三里(てさんり)
- 経穴:手の陽明大腸経(LI10)
- 英名:Shousanli (LI10)
取穴(位置・取り方)
- 前腕後橈側、曲池(LI11)から手首に向かって2寸下の部位。
- 肘を曲げ、曲池(LI11)から橈側に向けて指2本分下に取ると分かりやすい。
- 足三里(ST36)とともに「三里穴」と呼ばれ、全身調整に広く用いられる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:長橈側手根伸筋・総指伸筋。
- 神経・血管:橈骨神経浅枝、橈骨動脈の分枝。
東洋医学的機能(要点)
- 健脾和胃:消化機能を整え、食欲不振・腹痛・下痢に有効。
- 調気活絡:気血を巡らせ、疲労回復・四肢無力に応用。
- 鎮痛作用:腕の痛み、頸肩こり、歯痛などに有効。
臨床応用(消化器症状・上肢痛など)
- 消化器疾患:手三里(LI10)+足三里(ST36)で胃腸機能を高める。
- 四肢の疲労・無力感:手三里(LI10)+曲池(LI11)+合谷(LI4)。
- 上肢の疼痛・麻痺:手三里(LI10)+肩髃(LI15)+外関(TE5)。
- 歯痛:手三里(LI10)+合谷(LI4)で鎮痛効果を高める。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 皮膚に対して直刺 0.5–1.0寸(約10–25 mm)程度。
- 筋肉を狙ってやや深めに刺すと局所循環が改善しやすい。
- 保持時間:10–15分程度。
- 灸法:慢性消化器症状や倦怠感には温灸が有効。
禁忌・注意
- 血管や神経の走行を避けて刺入する。
- 強い刺激は前腕部のしびれや痛みを起こす場合がある。
- 炎症や外傷のある部位では施術を控える。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 胃腸機能調整:手三里(LI10)+足三里(ST36)。
- 上肢のしびれ・麻痺:手三里(LI10)+曲池(LI11)+肩髃(LI15)。
- 歯痛:手三里(LI10)+合谷(LI4)。
- 疲労回復:手三里(LI10)+合谷(LI4)+足三里(ST36)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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