名称
- 和名:完骨(かんこつ)
- 経穴:足の少陽胆経(GB12)
- 英名:Wangu (GB12)
取穴(位置・取り方)
- 耳の後ろ、乳様突起の後下方の陥凹部に取る。
- 乳様突起の後縁を触診し、その下方で胸鎖乳突筋付着部の後側にある窪み。
- 耳鳴りや頭痛の治療でよく用いられる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:胸鎖乳突筋、後頭筋。
- 神経・血管:後耳介動脈枝、小後頭神経。
東洋医学的機能(要点)
- 疏風通絡:風邪による頭痛・項強に有効。
- 聡耳明目:耳鳴り、難聴、めまいに用いる。
- 安神作用:不眠、心悸、不安感の改善に役立つ。
臨床応用(頭頸部症状・耳疾患など)
- 耳鳴り・難聴:完骨(GB12)+翳風(TE17)+聴宮(SI19)。
- 頭痛・項強:完骨(GB12)+風池(GB20)+天柱(BL10)。
- 不眠・精神不安:完骨(GB12)+安眠(EX-HN16)+神門(HT7)。
- めまい:完骨(GB12)+足三里(ST36)+三陰交(SP6)。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 乳様突起に沿って斜刺または横刺、0.5–1.0寸程度。
- 深刺は避け、後頭骨方向に軽く進める。
- 保持時間:10–15分程度。
- 灸法:温灸を行うと耳疾患や項強に効果的。
禁忌・注意
- 深刺は頭蓋骨や神経への損傷リスクがあるため禁忌。
- 強刺激はめまいや悪心を引き起こすことがある。
- 耳周囲の急性炎症時は施術を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 耳疾患:完骨(GB12)+翳風(TE17)+聴会(GB2)。
- 頭痛・項強:完骨(GB12)+風池(GB20)+合谷(LI4)。
- 不眠:完骨(GB12)+安眠(EX-HN16)+神門(HT7)。
- めまい・平衡障害:完骨(GB12)+足三里(ST36)+三陰交(SP6)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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