風池まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:風池(ふうち)
  • 経穴:足の少陽胆経(GB20)
  • 英名:Fengchi (GB20)


取穴(位置・取り方)

  • 後頭部、僧帽筋上縁と胸鎖乳突筋の間にある陥凹部。
  • 具体的には、後頭骨下縁、外後頭隆起と乳様突起を結ぶ線の外側1/3に位置するくぼみ。
  • 覚え方:後頭部の髪の生え際付近で、首の後ろを押して最も気持ちよく響くところ。


解剖(近接構造)

  • 表層には皮膚・皮下組織、僧帽筋の上部線維。
  • 深部には頭半棘筋・斜角筋上部などがある。
  • 近くを大後頭神経・小後頭神経・椎骨動脈が走行するため、強刺・深刺は避ける。


東洋医学的機能(要点)

  • 外風を散らす(感冒・頭痛・項部硬直)
  • 清頭明目(頭をすっきりさせ、目を明るくする)
  • 鎮静・醒神(めまい、不眠、神経症状)


臨床応用(頭痛・めまいなど)

  • 頭痛・偏頭痛:風池に軽く刺鍼または指圧で鎮痛効果。
  • めまい・耳鳴り・眼精疲労:頭部への血流改善を期待して用いる。
  • 感冒・項背部のこわばり:外感風邪で首筋が張るときによく用いる。
  • 他適応:高血圧、不眠、自律神経失調症など。


刺鍼法(安全重視)

  • 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm(頭部は細めの針を推奨)
  • 刺入方向と深さ
    • 後頭骨に向けて、皮膚に対してやや斜め上方に刺入。
    • 0.5–1.0寸(約10–20mm)を目安に、深刺ししすぎない。
  • 操作:軽く捻鍼や雀啄で響きを誘導。頭部の軽快感・鎮静を狙う。
  • 注意点:深刺により椎骨動脈や延髄を刺激するリスクがあるため、強い響きや違和感があれば即座に抜鍼。


禁忌・注意

  • 深刺禁忌:延髄や椎骨動脈が近いため、強刺・深刺は厳禁。
  • 皮膚炎や外傷がある場合は避ける。
  • 高血圧や脳血管障害の既往がある場合は刺激を控えめにする。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション(頭痛・眼精疲労向け)

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