名称
- 和名:太陽(たいよう)
- 経穴:頭部の奇穴(EX-HN5)
- 英名:Taiyang (EX-HN5)
取穴(位置・取り方)
- 眉毛外端と目尻(外眼角)の中点から後方へ約1寸、こめかみ部で最も陥凹するところ。
- 覚え方:眼を閉じて軽く歯を食いしばると、こめかみに動きが出る。その付近のくぼみが太陽。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:側頭筋の表層部。
- 血管・神経:浅側頭動脈・静脈、耳介側頭神経。血管が比較的豊富に走行するため刺鍼深度に注意。
東洋医学的機能(要点)
- 頭痛の特効穴(特に片頭痛・側頭部頭痛)。
- 目の疲れ・眼疾患に広く応用(眼精疲労・結膜炎・眼圧上昇感など)。
- 鎮痛・鎮静作用があり、顔面痛・歯痛・高血圧性頭痛にも使用。
臨床応用(頭痛・眼疾患など)
- 頭痛・片頭痛:太陽に浅刺または灸頭鍼。合谷(LI4)や風池(GB20)と組み合わせると効果増強。
- 眼精疲労:太陽に知熱灸。攅竹(BL2)や晴明(BL1)と併用。
- 顔面痛・歯痛:局所の圧痛点と合谷(LI4)を組み合わせる。
- 期待される効果:血流改善、筋緊張緩和、鎮痛、眼周囲のリラックス。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.12–0.18mm、長さ15–25mm。
- 刺入方向と深さ(初心者向け):
- 皮膚に対して**直刺は避ける**(眼窩に向かう危険がある)。
- 側頭筋に沿って**やや後方または外側へ斜刺**し、深さ 0.3–0.5寸(約5–10 mm) 程度。
- 灸頭鍼や知熱灸が安全で使いやすい。
- 保持時間:10–15分程度。
- 注意点:浅側頭動脈の拍動部を避け、眼球方向へは絶対に刺さない。
禁忌・注意
- 眼球に向けた深刺は厳禁。
- 動脈拍動部を避けて刺鍼する。
- 血管が豊富なため、刺鍼後は軽く圧迫止血を行う。
- 化膿性疾患や皮膚トラブル部位には施術を控える。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション(頭痛・眼精疲労)
- 頭痛治療:太陽(EX-HN5)+合谷(LI4)+風池(GB20)で前後左右から調整。
- 眼精疲労:太陽(EX-HN5)+攅竹(BL2)+晴明(BL1)、さらに足三里(ST36)で全身補気。
- 片頭痛:太陽(EX-HN5)+外関(TE5)+百会(GV20)で鎮痛効果を狙う。
- 灸の応用:冷えや虚証が背景にある場合、太陽に知熱灸を行うとリラックス効果が増す。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

0 件のコメント:
コメントを投稿