太衝まとめ:効能・取穴・関連症状
名称
- 和名:太衝(たいしょう)
- 経穴:足の厥陰肝経(LR3)
- 英名:Taichong (LR3)
取穴(位置・取り方)
- 足背、第1・第2中足骨の間で、両骨の合流部から後方(近位)へ指をすべらせて止まる陥凹部に取る。
- 覚え方:足の甲の親指と人差し指の骨の間を、足首方向へ指でなぞり上がると止まるくぼみ。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋:第1背側骨間筋・第1虫様筋付近。
- 神経:深腓骨神経の枝。
- 血管:足背動脈の分枝が近くを走行。
東洋医学的機能(要点)
- 肝気を疏泄:ストレス・抑うつ感・情緒不安定の改善。
- 清肝・鎮痙:頭痛・めまい・けいれんの改善。
- 目に作用:眼精疲労、充血、視力調整。
- 下肢・生殖関連:月経不順、下腹部痛、足のけいれん。
- 「肝経の原穴」として全身調整に多用される。
臨床応用(頭痛・月経痛など)
- 頭痛・めまい:ストレス性・高血圧傾向に伴う頭部症状。
- 月経痛・月経不順:肝気うっ滞や血瘀に関連する婦人科疾患。
- ストレス性胃腸障害:食欲不振、胸脇部の張り。
- 他適応:眼精疲労、不眠、イライラ、下肢の痙攣。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 皮膚に対して直刺または斜刺。
- 深さ0.3〜0.5寸(約5〜12mm)。
- 操作:軽い捻鍼で響きを誘導。精神安定を狙うときは穏やかに、鎮痛・鎮痙を狙うときはやや強めに行う。
- 保持時間:10〜20分(精神症状にはやや長めが多い)。
- 注意点:足背動脈の走行に注意し、出血や血腫を避ける。
禁忌・注意
- 刺鍼時に動脈を誤って損傷しないよう注意。
- 妊娠中は過剰刺激を避ける(子宮収縮を誘発する可能性あり)。
- 皮膚炎や感染部位には刺鍼しない。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
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