中極まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:中極(ちゅうきょく)
  • 経穴:任脈(CV3)
  • 英名:Zhongji (CV3)


取穴(位置・取り方)

  • 下腹部正中線上、臍の下4寸に取穴。
  • 恥骨結合上縁と臍を結ぶ線を5等分し、恥骨側から1/5上に位置する。
  • 「膀胱の募穴」「小腸経の交会穴」として泌尿器疾患に応用される。


解剖(近接構造)

  • 皮下には腹直筋鞘前葉、腹直筋。
  • 深部には腹膜・膀胱が存在するため、深刺は禁忌。
  • 血管:下腹壁動静脈。


東洋医学的機能(要点)

  • 補腎益精・固本培元:腎を補い、生殖力を高める。
  • 調経安胎:月経不調・不妊・妊娠安定に用いられる。
  • 利水通淋:排尿障害、膀胱炎、浮腫に適応。
  • 健脾和胃:虚弱体質や慢性消化器症状の補助。


臨床応用(関連症状)

  • 婦人科疾患:月経不順・月経痛・不妊症・更年期障害。
  • 泌尿器疾患:頻尿・排尿困難・尿閉・膀胱炎。
  • 消化器症状:下痢・慢性腸炎・虚弱体質。
  • 全身症状:冷え・倦怠感・精力減退。


刺鍼法(安全重視)

  • 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm
  • 刺入方向と深さ
    • 直刺:0.5–1.0寸(約10–25mm)。ただし深刺は避ける。
    • 浅刺・平刺が安全で推奨される。
  • 操作:補法(軽く捻鍼)。冷えや虚弱では温補が有効。
  • 保持時間:10–20分。
  • 灸の使用:台座灸や棒灸で温めると婦人科・泌尿器疾患に効果的。


禁忌・注意

  • 妊娠中は深刺・強刺激を避ける(流産誘発の可能性)。
  • 過度の深刺は膀胱損傷や腹膜炎のリスクがある。
  • 炎症や腫瘍のある場合は施術を控える。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

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