関元まとめ:効能・取穴・関連症状
名称
- 和名:関元(かんげん)
- 経穴:任脈(CV4)
- 英名:Guanyuan (CV4)
取穴(位置・取り方)
- 下腹部正中線上、臍の下3寸に取穴。
- 臍と恥骨上縁の間を5等分し、恥骨側から2/5上に位置する。
- 「三陰交(SP6)」「気海(CV6)」と並び、婦人科・泌尿器系の要穴。
解剖(近接構造)
- 皮下には腹直筋鞘前葉、腹直筋。
- 深部には腹膜・腸管(小腸)があるため、深刺は禁忌。
- 血管:下腹壁動静脈。
東洋医学的機能(要点)
- 補腎益精:腎の働きを補い、生殖機能を高める。
- 調経安胎:月経不調、不妊、妊娠安定に応用。
- 温補元陽:冷え症・虚弱体質・老化予防に効果。
- 利水化湿:排尿障害・浮腫の改善。
臨床応用(関連症状)
- 婦人科疾患:月経不順・不妊症・更年期障害・冷え症。
- 泌尿器疾患:頻尿・排尿困難・尿失禁。
- 消化器症状:慢性下痢・虚弱体質に伴う消化機能低下。
- 全身症状:倦怠感・老化・免疫低下。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm
- 刺入方向と深さ:
- 直刺:0.5–1.0寸(約10–25mm)。ただし深刺は避ける。
- 斜刺・平刺で浅めに刺す方法も安全。
- 操作:補法(軽く捻鍼・温補)。冷え・虚弱に特に適する。
- 保持時間:10–20分。
- 灸の使用:艾炷灸・台座灸で温めると効果が大きい。
禁忌・注意
- 妊娠中の強刺激・深刺は避ける(流産誘発の危険)。
- 腹部大動脈瘤・腫瘍・炎症性疾患がある場合は施術を控える。
- 過度の深刺は腹膜炎・腸管損傷のリスクあり。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
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