腎兪まとめ:効能・取穴・関連症状
名称
- 和名:腎兪(じんゆ)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL23)
- 英名:Shenshu (BL23)
取穴(位置・取り方)
- 第2腰椎棘突起下縁(腰の高さ)から、外方1.5寸の位置。
- 腰に手を当て、両手親指を脊柱に沿って滑らせていくと、第2腰椎の高さで触れられる。その横の圧痛点を目安にとる。
解剖(近接構造)
- 皮膚・皮下組織の下に最長筋、多裂筋などの脊柱起立筋群。
- 深層には腎臓が位置するため、深刺には注意が必要。
- 周囲を腰神経の後枝が走行するため、響きや神経痛様の感覚が出ることがある。
東洋医学的機能(要点)
- 腎気を補う(腎虚に伴う諸症状に用いる)
- 腰膝を強くする(腰痛・膝のだるさに適応)
- 生殖・泌尿機能を調整(不妊、月経不順、頻尿・夜間尿など)
- 五臓六腑の「腎」に直接働きかける重要な兪穴
臨床応用(腰痛・腎虚症状など)
- 腰痛の基本穴:慢性腰痛や冷えを伴う腰痛で多用される。
- 泌尿器疾患:頻尿・夜間尿・腎機能低下を補助的に改善。
- 生殖機能:不妊症、月経不順、インポテンツ、精力減退。
- 灸の応用:冷え性や腎虚体質には、灸治療(透熱灸・温灸)が効果的。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ40–60mm(体格により調整)
- 刺入方向と深さ:
- 皮膚に対してやや内下方に向け斜刺、深さ0.8–1.2寸(約20–30mm)。
- やせ型や高齢者では腎臓を損傷しないよう浅めに刺入。
- 操作:軽度の捻鍼・雀啄。腰痛では電気鍼を両側腎兪にかける方法もある。
- 保持時間:10–20分程度。
- 灸の使用:冷え・腎虚体質には透熱灸または棒灸を用いる。特に冬季や高齢者に有効。
禁忌・注意
- 深刺により腎臓を損傷する危険があるため、特にやせ型の患者には注意。
- 皮膚炎や感染がある部位には刺鍼・灸を行わない。
- 発熱・急性炎症時には使用を控える。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション(腰痛向け)
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