名称
- 和名:腰陽関(ようようかん)
- 経穴:督脈(GV3)
- 英名:Yaoyangguan (GV3)
取穴(位置・取り方)
- 腰部、後正中線上、第4腰椎棘突起下の陥凹部に取る。
- 左右の腸骨稜を結ぶ線(ヤコビー線)の正中と交わるところを探すと分かりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:棘上靱帯、棘間靱帯。
- 神経・血管:腰神経後枝、腰動静脈の分枝。
- 深部:脊柱管内に脊髄馬尾が走行しており、深刺に注意。
東洋医学的機能(要点)
- 腰痛の要穴:腰背部痛・坐骨神経痛の基本穴。
- 補腎強腰:腎虚による腰膝酸軟、下肢の無力に有効。
- 下焦調整:遺精、月経不順、泌尿器系疾患に応用。
臨床応用(腰痛・泌尿生殖器症状など)
- 腰痛:腰陽関(GV3)+腎兪(BL23)+大腸兪(BL25)で慢性腰痛に。
- 坐骨神経痛:腰陽関(GV3)+委中(BL40)+崑崙(BL60)。
- 生殖器系:遺精や月経不順に腰陽関(GV3)+関元(CV4)。
- 泌尿器系:排尿困難や頻尿に腰陽関(GV3)+膀胱兪(BL28)。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.20–0.30mm、長さ40–60mm。
- 刺入方向と深さ:
- 皮膚に対して直刺 0.5–1.0寸(約15–25 mm)。
- 深刺すると脊柱管に近づくため、過度に深く刺さない。
- 保持時間:10–20分程度。
- 灸法:腰痛や腎虚には温灸・知熱灸が有効。
禁忌・注意
- 深刺は脊髄馬尾を損傷する危険があるため注意。
- 強刺激はめまいやしびれを起こす場合がある。
- 妊婦への強い施術は原則禁忌。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 慢性腰痛:腰陽関(GV3)+腎兪(BL23)+大腸兪(BL25)。
- 坐骨神経痛:腰陽関(GV3)+委中(BL40)+崑崙(BL60)。
- 泌尿器系:腰陽関(GV3)+膀胱兪(BL28)+関元(CV4)。
- 腎虚・腰膝酸軟:腰陽関(GV3)+志室(BL52)+太谿(KI3)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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