名称
- 和名:崑崙(こんろん)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL60)
- 英名:Kunlun (BL60)
取穴(位置・取り方)
- 足関節部、外果とアキレス腱の間の陥凹部に取穴。
- 外果尖とアキレス腱の間を軽く押圧すると陥凹が触れる。
- 腰背下肢痛や難産の要穴として古来より重要視される。
解剖(近接構造)
- 皮下に短腓骨筋腱・長腓骨筋腱。
- 深部にアキレス腱。
- 血管:外果動脈枝、腓骨動脈枝。
- 神経:腓腹神経外側枝、外果後神経。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱鎮痛:頭痛・項背痛を鎮める。
- 通絡活血:経絡の滞りを改善し、腰腿痛・坐骨神経痛に効果。
- 安胎催産:伝統的に「難産の要穴」とされる。
- 疏風解表:外感の頭痛・項強にも用いられる。
臨床応用(関連症状)
- 運動器疾患:腰痛・坐骨神経痛・下肢痛・足関節捻挫。
- 頭頸部疾患:頭痛・めまい・項強。
- 婦人科:分娩促進・難産・胎位不正。
- その他:高血圧・不眠など。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.18–0.25mm、長さ30–40mm
- 刺入方向と深さ:
- 直刺:0.3–0.5寸(約10–15mm)。
- 斜刺:アキレス腱に沿って刺入も可。
- 操作:鎮痛目的では瀉法、安静補養目的では補法。
- 保持時間:10–15分。
- 灸の使用:冷えや疼痛に有効だが、熱感が強い場合は避ける。
禁忌・注意
- 妊婦への強刺激・灸は禁忌(流産誘発の可能性)。
- 急性の足関節外傷では強刺激を避ける。
- 出血傾向や皮膚病変のある部位では施術を控える。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 腰痛・坐骨神経痛:崑崙(BL60)+承山(BL57)+環跳(GB30)。
- 頭痛・項強:崑崙(BL60)+風池(GB20)+天柱(BL10)。
- 足関節捻挫:崑崙(BL60)+申脈(BL62)+丘墟(ST42)。
- 分娩促進:崑崙(BL60)+三陰交(SP6)+至陰(BL67)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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