名称
- 和名:申脈(しんみゃく)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL62)
- 英名:Shenmai (BL62)
取穴(位置・取り方)
- 外くるぶし(外果)の最も高いところから真下の陥凹部に取る。
- 外果下端と踵骨との間に位置する。
- 八脈交会穴で「陽蹻脈」と通じ、後谿(SI3)とペアで用いることが多い。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:短腓骨筋腱の停止部付近。
- 神経・血管:外側足背皮神経、外果下動脈分枝。刺鍼時は血管への刺激に注意。
東洋医学的機能(要点)
- 通絡止痛:頭項痛、腰背痛、下肢痛に用いる。
- 安神利眠:不眠、夢多、焦燥感に適応。
- 清頭目:めまい、目の充血、耳鳴りに有効。
- 調整陽蹻脈:姿勢保持・運動調整に関わる経絡を調整。
臨床応用(不眠・頭痛・腰背痛など)
- 不眠:申脈(BL62)と後谿(SI3)を組み合わせ、督脈と陽蹻脈を調整して安眠を促す。
- 頭痛・めまい:申脈(BL62)と風池(GB20)を合わせ、頭部の清竅を開く。
- 腰背痛:申脈(BL62)と腎兪(BL23)を併用して腰部の気血を整える。
- 下肢のしびれや痙攣:申脈(BL62)と足三里(ST36)を合わせて下肢の気血循環を改善。
- 眼精疲労・視力低下:申脈(BL62)と睛明(BL1)を組み合わせ、陽蹻脈の調整を図る。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.20mm、長さ15–30mm。
- 刺入方向と深さ(初心者向け):
- 直刺:0.3–0.5寸(約5–10 mm)。
- 皮膚が薄く血管も近いため、浅めに刺す。
- 保持時間:10–15分。安眠目的では軽刺激で十分。
- 灸法:知熱灸や温灸を用いると、不眠・腰背痛に効果的。
禁忌・注意
- 血管や神経に近いため、深刺を避ける。
- 皮膚が薄いので強刺激は避ける。
- 灸痕灸は局所の熱感や瘢痕を残しやすいため推奨されない。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 不眠には、申脈(BL62)+後谿(SI3)の八脈交会穴ペアが基本。
- 頭痛やめまいには、申脈(BL62)+風池(GB20)が有効。
- 腰背痛には、申脈(BL62)+腎兪(BL23)を合わせると効果が高い。
- 下肢のしびれには、申脈(BL62)+足三里(ST36)で循環改善。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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