名称
- 和名:睛明(せいめい)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL1)
- 英名:Jingming (BL1)
取穴(位置・取り方)
- 目頭のやや内上方、内眼角と眼窩内側壁の間の陥凹部に取る。
- 軽く目を閉じさせ、眼球を圧迫しないように注意して取穴する。
- 眼科領域に極めて近接するため、臨床では刺鍼を行わず指圧や温熱刺激が選ばれることが多い。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、眼輪筋。
- 神経:滑車神経、動眼神経、眼神経(三叉神経第1枝)の枝。
- 血管:眼角動脈・静脈、眼動脈の分枝。
- 器官:眼球・涙嚢に近接するため刺鍼は高度な注意が必要。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 明目作用:視力を助け、眼の充血やかすみを改善すると記載される。
- 散風清熱:目の痒みや炎症を鎮める目的で用いられた。
- 通絡開竅:気血を巡らせ、眼周囲の不調に対応する。
古典的応用例
- 眼疾患全般:結膜炎、角膜炎、視力減退、夜盲症、眼精疲労。
- 頭部症状:頭痛、眩暈。
- 鼻疾患:鼻淵、鼻閉(鼻涙管に近接するため関連付けられた)。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:0.3〜0.7寸、眼窩に沿って眼球を避けて平刺。
- 極めて慎重:眼球を損傷する危険があるため、古来より熟練者のみが行った。
- 現代臨床:刺鍼はほとんど行われず、温熱・指圧・皮内鍼などが代用される。
※本記事は古典的文献に基づく教育的まとめであり、現代医療的効果を保証するものではありません。特に睛明は眼球直近のため、施術は必ず高度な技術を持つ有資格者のみが行うべきです。
禁忌・注意(参考)
- 眼球損傷の危険があるため、刺鍼は特に慎重を要する。
- 感染防止のため清潔操作を厳守する。
- 素人による刺激は禁忌。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 眼疾患全般:光明(GB37)、風池(GB20)と併用して、眼精疲労や視力減退に用いられた。
- 急性結膜炎:合谷(LI4)、外関(TE5)と組み合わせ、清熱散風を図る。
- 夜盲症:太衝(LR3)とあわせ、肝血を補うことを意識した組み合わせ。
- 頭痛・眩暈:百会(GV20)、頭維(ST8)と組み合わせて応用。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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