名称
- 和名:頭維(ずい)
- 経穴:足の陽明胃経(ST8)
- 英名:Touwei (ST8)
取穴(位置・取り方)
- 頭部、前髪際の角、前正中線(神庭CV24)から外方4.5寸に取る。
- 前髪際の角を探し、こめかみのやや上方で骨の縁に位置する。
- 偏頭痛や眼疾患に関連して用いられる重要な経穴。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:側頭筋の前縁。
- 神経:眼窩上神経枝、耳介側頭神経。
- 血管:浅側頭動脈・静脈の枝。
東洋医学的機能(要点)
- 清頭明目:頭痛や目のかすみを改善する方向で用いられる。
- 疏風止痛:偏頭痛、頭重感に応用。
- 通絡作用:局所の気血循環を促進し、こめかみや眼の症状に有効とされる。
臨床応用
- 頭痛:特に片側性の偏頭痛や前頭部痛。
- 眼疾患:眼精疲労、流涙、視力減退。
- めまい・頭重:気血不和による症状に応用される。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ15–30mm。
- 刺入方向と深さ:
- 後方または下方へ0.3–0.5寸の斜刺。
- 前頭骨や側頭筋に接する感覚を確認し、深刺は避ける。
- 保持時間:10–15分程度。
- 灸法:知熱灸・温灸を行うと頭痛や眼精疲労に応用できる。
禁忌・注意
- 血管(浅側頭動脈)の走行に注意する。
- 深刺すると頭蓋骨に接触するため、浅めの刺入が基本。
- 急性の眼疾患の炎症時は刺激を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 頭維(ST8)は偏頭痛や眼精疲労にしばしば用いられる。
- 偏頭痛には太陽(EX-HN5)、風池(GB20)、合谷(LI4)と組み合わせるとよい。
- 眼精疲労には晴明(BL1)、四白(ST2)、攅竹(BL2)と配穴して用いる。
- めまいや頭重感には百会(GV20)、太衝(LR3)などとあわせて全身調整を図るとよい。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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