名称
- 和名:大迎(だいげい)
- 経穴:足の陽明胃経(ST5)
- 英名:Daying (ST5)
取穴(位置・取り方)
- 顔面部、下顎角前方、咬筋前縁の陥凹部に取る。
- 口を軽く開けると咬筋が浮き出るため、その前縁の陥凹を目安に探ると取りやすい。
- 顔面の神経疾患や口の動きに関連して応用される重要穴。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:咬筋の前縁。
- 神経・血管:顔面動脈、顔面神経下顎縁枝。
- 深部:下顎骨。
東洋医学的機能(要点)
- 通絡・活絡:顔面神経麻痺や三叉神経痛に用いる。
- 開竅・利歯:歯痛や顎関節症に応用。
- 散風作用:顔面部の痙攣やけいれんに利用される。
臨床応用
- 歯科疾患:歯痛、歯肉腫脹。
- 神経疾患:顔面神経麻痺、三叉神経痛。
- 顎関節症:口の開閉障害、咀嚼時の疼痛。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ15–30mm。
- 刺入方向と深さ:
- 外方またはやや上方へ0.3–0.5寸の斜刺。
- 深刺は避け、顔面動脈の走行に注意する。
- 保持時間:10–15分程度。
- 灸法:通常はあまり行わない。
禁忌・注意
- 顔面動脈・静脈が近接するため、強い刺激や深刺は避ける。
- 出血や皮下出血を起こしやすいため注意が必要。
- 炎症性疾患がある場合は控える。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 大迎(ST5)は特に歯痛や顎関節周囲の問題に応用される。歯痛の場合は頬車(ST6)、下関(ST7)と組み合わせると効果が高まる。
- 顔面神経麻痺では、地倉(ST4)、翳風(TE17)、合谷(LI4)などとあわせて配穴することが多い。
- 顎関節症では、下関(ST7)、頬車(ST6)を組み合わせ、顎関節の機能改善を図る。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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