名称
- 和名:頬車(きょうしゃ)
- 経穴:足の陽明胃経(ST6)
- 英名:Jiache (ST6)
取穴(位置・取り方)
- 下顎角の前上方で、咬筋の付着部中央の陥凹部に取る。
- 歯を食いしばると咬筋が隆起し、その最も高い部分に圧痛や陥凹を確認できる。
- 地倉(ST4)、翳風(TE17)と連動して顔面麻痺の主要部位として用いられる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:咬筋、広頚筋。
- 神経:顔面神経(頬筋枝・下顎縁枝)、下歯槽神経。
- 血管:顔面動脈・静脈、咬筋動脈。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 顔面の歪みを正す:口眼喎斜(顔面神経麻痺)に有効とされた。
- 歯・顎を調整する:歯痛、顎関節の異常に用いられた。
- 風を散じる:外風による顔のけいれん・ひきつれを和らげるとされた。
古典的応用例
- 顔面神経麻痺(口眼喎斜)。
- 歯痛(特に下歯痛)。
- 顎関節症、咀嚼困難。
- 顔面痙攣、頬部腫脹。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺または頬内側へ向けてやや斜刺。
- 刺入深度:0.5〜1寸。
- 注意点:顔面神経や血管が近いため、強刺激は避ける。
- 灸法:慢性の歯痛や麻痺に温灸を用いた記録がある。
※本まとめは古典的記載を基にした教育的資料です。実際の施術は必ず有資格者の判断のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 顔面神経や血管の損傷に注意。
- 急性炎症・化膿性疾患の局所には刺鍼を避ける。
- 衛生管理を徹底し、感染予防を図る。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 顔面神経麻痺:地倉(ST4)、迎香(LI20)、翳風(TE17)、合谷(LI4)と組み合わせ、表情筋の経気を通じさせる。
- 歯痛・顎関節症:下関(ST7)、足三里(ST36)とあわせて消炎・鎮痛を図る。
- 顔面痙攣:合谷(LI4)、太衝(LR3)を加え、肝風を鎮める組み合わせが古典にみられる。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿