名称
- 和名:陽白(ようはく)
- 経穴:足の少陽胆経(GB14)
- 英名:Yangbai (GB14)
取穴(位置・取り方)
- 前頭部、瞳孔の直上で、眉毛の上方1寸に取る。
- 眼を正視し、眉毛中央上縁から上方へ1寸を測って取穴する。
- 眉毛中央上方の小さなくぼみに一致することが多い。
- 眼症状や前頭部痛の治療に用いられる主要経穴。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:前頭筋。
- 神経:眼窩上神経(V1:三叉神経第一枝)、顔面神経の側頭枝。
- 血管:眼窩上動脈・静脈。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 清頭明目:頭痛を鎮め、目を明らかにする作用をもつとされた。
- 散風解表:外風による頭痛・目の充血・涙目に対応すると記される。
- 経気を通じる:顔面・眼周囲の気血の滞りを和らげると考えられた。
古典的応用例
- 頭痛(特に前頭部痛)。
- 眼疾患(流涙、眼瞼けいれん、視力減退)。
- 顔面神経麻痺(口眼喎斜)。
- 眼精疲労、眉間部の違和感。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:皮膚に沿って斜刺。
- 刺入深度:0.3〜0.5寸。
- 注意点:眼球方向への深刺を避ける。
- 灸法:慢性的な眼精疲労や前頭痛に用いられた。
※本まとめは古典的記載に基づく教育的資料です。実際の施術は必ず有資格者の判断のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 眼球への損傷を避けるため、刺鍼角度と深度に細心の注意を払う。
- 局所に感染や皮膚疾患がある場合は施術を避ける。
- 出血傾向のある患者では刺鍼後の皮下出血に留意。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 前頭部痛・片頭痛:風池(GB20)、合谷(LI4)と併用して頭部の経気を通じる。
- 眼精疲労・視力減退:睛明(BL1)、承泣(ST1)とあわせて目周囲の気血をめぐらす。
- 顔面神経麻痺:頬車(ST6)、地倉(ST4)、翳風(TE17)と組み合わせて顔面の表情筋の調整を図る。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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