名称
- 和名:命門(めいもん)
- 経穴:督脈(GV4)
- 英名:Mingmen (GV4)
取穴(位置・取り方)
- 腰部、後正中線上、第2腰椎棘突起下の陥凹部に取る。
- 左右の腎兪(BL23)のほぼ中央に位置し、腰部の中心にあたる重要な標識点。
- 体位は腹臥位が一般的で、腰椎の位置を正確に触診して取穴する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:棘上靭帯、脊柱起立筋群。
- 神経:腰神経後枝。
- 血管:腰動脈・静脈。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 腎陽を温める:命門は「腎陽の根」とされ、腎虚や寒証に対して補益する要穴とされた。
- 精気を充実させる:腎精の不足による疲労・虚弱・生殖機能低下に対し、古典では補養に用いられた。
- 腰背を強壮:腰膝のだるさや冷えを改善する目的で応用された。
古典的応用例
- 腰痛・腰膝軟弱。
- 腎虚による陽痿、遺精、不妊。
- 冷え症、四肢の冷感。
- 慢性疲労、虚弱体質。
- 消化吸収の低下や腹部冷え。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺またはやや下方に向けて刺入。
- 刺入深度:0.5〜1.0寸程度。
- 灸法:腎虚や冷えに対して灸が多用された(直接灸・隔物灸など)。
- 注意点:深刺は脊髄や神経を損傷する危険があるため、慎重に行う。
※本まとめは古典的記載をもとにした教育的資料です。実際の施術は必ず有資格者の判断のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 深刺を避けること。特に体格の痩せた人では注意が必要。
- 高熱時や実熱証の場合には使用を控える。
- 妊婦への強刺激は避ける。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 腰痛:腎兪(BL23)、委中(BL40)と併用して腰部機能を補佐。
- 腎虚症状:関元(CV4)、足三里(ST36)と組み合わせ、精気を補い体力増強を図る。
- 泌尿生殖器の不調:太谿(KI3)、志室(BL52)とあわせて腎気を養う目的で用いられた。
- 冷え症・虚弱体質:灸法を中心に、督脈上の腰陽関(GV3)や大椎(GV14)と連携して全身の陽気を補う。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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