名称
- 和名:神庭(しんてい)
- 経穴:督脈(GV24)
- 英名:Shenting (GV24)
- 意味:「神」は精神・心神を示し、「庭」は中庭の意。すなわち心神が安らぐ場としての名称とされる。
取穴(位置・取り方)
- 頭部、前髪際の上方0.5寸、正中線上。
- 印堂(EX-HN3)の真上、上星(GV23)の前方に位置する。
- 髪際が不明瞭な場合は、眉間中央から髪際までの距離を等分して計測する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:帽状腱膜。
- 神経:眼神経(三叉神経第1枝)の枝、顔面神経前頭枝。
- 血管:眼窩上動脈・静脈の分枝。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 寧神安眠:精神を安定させ、不眠・不安・癲癇などに応用。
- 清頭明目:頭痛、目のかすみ、めまいなどを改善。
- 通竅利鼻:鼻塞、鼻出血、嗅覚障害などに対応。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:頭痛、鼻塞、狂癲、目眩に効ありと記載。
- 『千金要方』:鼻出血・鼻疾患に対する重要穴として使用例あり。
- 『鍼灸大成』:癲癇、不眠、驚悸、目眩、鼻疾患など多岐にわたる記載。
- 特に「安神・寧神」を目的とした処方で頻繁に用いられる。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:後方へ向けて水平〜やや下方刺。
- 刺入深度:0.3〜0.5寸程度。
- 灸法:神経過敏や不眠に灸を据える記載がある。
※古典的記載を教育的資料としてまとめています。実際の施術は必ず有資格者の判断で行ってください。
禁忌・注意
- 頭皮は出血しやすいため刺鍼後は圧迫止血を十分に行う。
- 過度の深刺は不要で、浅刺で効果を発揮することが多い。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 不眠・精神不安:印堂(EX-HN3)、安眠(EX-HN16)、神門(HT7)と併用。
- 頭痛・眩暈:百会(GV20)、風池(GB20)、太陽(EX-HN5)と配穴。
- 鼻疾患:迎香(LI20)、合谷(LI4)、上星(GV23)と組み合わせて鼻閉・鼻炎に対応。
- 癲癇・小児の夜泣き:水溝(GV26)、百会(GV20)とともに用いる例が古典に見られる。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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