名称
- 和名:上星(じょうせい)
- 経穴:督脈(GV23)
- 英名:Shangxing (GV23)
- 意味:「星」は明るく輝く星の意。頭部前方に位置し、精神を明らかにし、清明を保つことから命名されたとされる。
取穴(位置・取り方)
- 頭部、前髪際の後方1寸、督脈上に取る。
- 百会(GV20)から前方へ下り、髪際に沿って数えて取穴する。
- 鼻根部の延長線上で正中にあるため、触診しやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:帽状腱膜。
- 神経:眼神経(三叉神経第1枝)の枝、後頭神経の吻合部。
- 血管:眼窩上動脈・静脈、頭皮の細小血管網。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 清頭明目:頭痛・鼻疾患・目のかすみなどに用いられる。
- 安神作用:精神不安や不眠に応用された。
- 通竅利鼻:鼻塞・慢性鼻炎・鼻出血などに対処するとされる。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:頭痛、目のかすみ、鼻疾患に効ありと記載。
- 『千金要方』:鼻塞・鼻出血・鼻渋に応用された例がある。
- 『鍼灸大成』:癲癇、頭痛、鼻疾患、眼疾患、不眠など幅広い応用記載がある。
- とくに「鼻病の要穴」としてしばしば言及される。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:後方あるいはやや下方へ向けて刺入。
- 刺入深度:0.3〜0.5寸程度。
- 注意点:浅刺で十分なことが多く、深刺は不要。
- 灸法:鼻疾患や慢性頭痛に用いられることがある。
※古典的記載を教育的資料としてまとめています。実際の施術は必ず有資格者の判断で行ってください。
禁忌・注意
- 頭皮部の施術は出血しやすいため止血に留意。
- 高血圧や鼻出血傾向のある場合は慎重に扱う。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 鼻疾患:印堂(EX-HN3)、迎香(LI20)、合谷(LI4)とあわせて慢性鼻炎・鼻閉に用いられる。
- 頭痛・頭重感:百会(GV20)、風池(GB20)、太陽(EX-HN5)と組み合わせて清頭作用を高める。
- 眼疾患:睛明(BL1)、光明(GB37)とあわせ、視力減退や眼精疲労に応用される例がある。
- 精神不安・不眠:神庭(GV24)、印堂(EX-HN3)、神門(HT7)と配穴して安神を図る。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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