名称
- 和名:素髎(そりょう)
- 経穴:督脈(GV25)
- 英名:Suliao (GV25)
- 意味:「素」は中心・純粋を示し、「髎」は骨隙や竅(あな)を表す。鼻端正中の竅穴を指す名称とされる。
取穴(位置・取り方)
- 鼻尖部のやや上方、鼻尖正中に取る。
- 鼻孔の間、鼻尖の最も突出した位置に相当する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:鼻筋。
- 神経:顔面神経 鼻筋枝、三叉神経第1枝(眼神経)の枝。
- 血管:顔面動脈の鼻背枝、外鼻動脈。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 開竅醒神:神志を回復させ、意識障害や昏厥に用いられる。
- 通鼻利竅:鼻閉、鼻炎、嗅覚障害に応用。
- 止血:鼻出血に対して古典的に用いられる。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:鼻閉、鼻塞、鼻血に有効と記載。
- 『鍼灸大成』:中風による昏迷、癲癇発作、急な昏厥時の意識回復に用いるとされる。
- 『千金要方』:小児の驚風や急症における救急穴として記載。
- 『類経図翼』:鼻疾患・頭痛にも応用する旨が見られる。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:鼻尖の皮下に向けて直刺または浅刺。
- 刺入深度:0.1〜0.2寸程度と極めて浅く刺す。
- その他:急救穴として用いられる際には速刺速抜が基本。
- 灸法:通常あまり行わない。
※古典的記載を教育・研究目的としてまとめています。実際の施術は必ず有資格者が行ってください。
禁忌・注意
- 刺鍼は非常に浅く行う。深刺は組織損傷や感染リスクがあるため避ける。
- 急救穴であるため、一般的な保健目的では不用意に刺激しない。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 意識障害・昏厥:水溝(GV26)、合谷(LI4)、涌泉(KI1)と組み合わせて救急時に用いられる。
- 鼻閉・鼻炎:迎香(LI20)、上星(GV23)、印堂(EX-HN3)と併用。
- 鼻出血:合谷(LI4)、大椎(GV14)と配穴し止血を図る。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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