名称
- 和名:水突(すいとつ)
- 経穴:足の陽明胃経(ST10)
- 英名:Shuitu (ST10)
取穴(位置・取り方)
- 頸部、胸鎖乳突筋の前縁、甲状軟骨の外縁の高さに取る。
- 具体的には、人迎(ST9)の下方1寸にあたる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:胸鎖乳突筋の前縁。
- 神経:頸神経叢の枝、迷走神経。
- 血管:頸動脈鞘(総頸動脈・内頸静脈)に近接。
東洋医学的機能(要点)
- 利咽開音:咽喉の腫脹、発声障害に応用。
- 清気化痰:痰による咳嗽・喘息に効果。
- 調気止咳:咳嗽・呼吸困難に対して用いる。
臨床応用
- 呼吸器疾患:咳嗽、喘息、気管支炎、呼吸困難。
- 咽喉疾患:咽喉腫痛、扁桃炎、発声障害。
- 瘰癧(頸部リンパ節腫大)。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ30–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 胸鎖乳突筋の前縁に沿って0.3–0.5寸、斜刺。
- 絶対に深刺しない(頸動脈鞘に接触する危険あり)。
- 灸法:知熱灸・温灸が適応(咽喉痛、慢性気管支炎など)。
禁忌・注意
- 総頸動脈・内頸静脈・迷走神経が近接するため、直刺・深刺は禁忌。
- 強刺激は失神や呼吸抑制を引き起こす可能性がある。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 水突(ST10)は、咽喉や呼吸器症状に応用する要穴です。
- 咽喉痛や嗄声には、廉泉(CV23)、天突(CV22)、合谷(LI4)と組み合わせると有効です。
- 喘息や呼吸困難には、人迎(ST9)、定喘(EX-B1)、膻中(CV17)と配穴することで呼吸を整える効果が高まります。
- 頸部リンパ節腫大や慢性咽頭炎には、天鼎(LI17)、扶突(ST11)と組み合わせて使うとよいでしょう。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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