名称
- 和名:廉泉(れんせん)
- 経穴:任脈(CV23)
- 英名:Lianquan (CV23)
取穴(位置・取り方)
- 喉頭隆起の上縁、舌骨の上方にある正中の陥凹部に取る。
- 舌を挙上すると、舌根直下に位置し、触知しやすい。
- 発声・嚥下に関連する重要部位に位置する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:顎舌骨筋、舌骨舌筋、オトガイ舌骨筋。
- 神経:舌下神経、舌神経の枝。
- 血管:舌動脈、舌静脈。
- 器官:舌根、咽頭入口部。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 清利咽喉:咽頭・舌根部の熱や腫脹に用いられた。
- 降逆利気:気逆による咳嗽や喘息を調整するとされた。
- 利舌開音:舌の強直や失語、発音障害に応用された。
古典的応用例
- 咽喉疾患:咽痛、咽喉腫脹、発声困難。『鍼灸甲乙経』には「咽腫・舌根腫痛を治す」との記載。
- 舌疾患:舌根の強直、舌の動きが悪く言語困難となる症例。
- 呼吸器疾患:喘息、咳嗽に配穴された。
- 精神神経症状:失語・口噤などにも用いられた記録がある。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:やや舌根方向に向けて0.5〜0.8寸斜刺。
- 古典的記載:咽喉疾患や発声障害に応用された。
- 灸法:一般的にはあまり用いられないが、古典には記載がある。
※本記事は古典文献を整理した教育的まとめであり、現代医療的効果を示すものではありません。刺鍼に際しては動脈や神経、咽頭入口部に近いため特に注意が必要です。
禁忌・注意(参考)
- 深刺は血管損傷や窒息の危険があるため厳禁。
- 舌下神経・舌動脈への刺激に注意が必要。
- 小児や体力の弱い方への刺鍼は避けるのが望ましい。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 咽痛・咽腫:合谷(LI4)、人迎(ST9)と組み合わせ、咽頭部の清利を図った。
- 発声困難・失語:通里(HT5)、少衝(HT9)と併用し、利舌開音の作用を補った。
- 舌根強直・言語不利:瘂門(GV15)、風府(GV16)と合わせて、言語機能の調整を試みた。
- 咳嗽・喘息:天突(CV22)、肺兪(BL13)と組み合わせて、呼吸器系への影響を調整した。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿