名称
- 和名:少衝(しょうしょう)
- 経穴:手の少陰心経(HT9)、井穴・木穴
- 英名:Shaochong (HT9)
取穴(位置・取り方)
- 手の小指、橈側爪甲根部の角を去ること約0.1寸に取る。
- 小指橈側の爪の生え際を目安にするとわかりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 神経:尺骨神経の末梢枝。
- 血管:指背動脈の枝。
東洋医学的機能(要点)
- 清心開竅:高熱による意識障害や煩躁を鎮める。
- 寧心安神:不眠、動悸、精神不安に効果的。
- 通経活絡:手指のしびれや関節痛に応用。
- 井穴の作用:急性症状に即効的に作用する。
臨床応用(精神神経疾患・循環器疾患など)
- 不眠や精神不安には、少衝(HT9)を神門(HT7)、安眠(EX-HN16)と併用して鎮静・安神を図ります。
- 動悸や不整脈傾向には、少衝(HT9)を内関(PC6)、巨闕(CV14)と組み合わせて心気を整えます。
- 意識障害や高熱時には、少衝(HT9)の刺絡を用い、十宣穴と合わせて応急処置的に清熱・開竅を行います。
- 手指のしびれや麻痺には、少衝(HT9)を合谷(LI4)、曲池(LI11)と組み合わせて手陽経の気血を通じさせます。
刺鍼法(安全重視)
- 刺入方法:浅刺または点刺。通常は0.1〜0.2寸の浅い刺入。
- 刺絡:高熱や意識障害時には少量の瀉血を行うことがある。
- 灸法:不眠や精神不安には知熱灸・温灸を用いる。
禁忌・注意
- 過度の刺激は出血・痛みを伴いやすいため軽刺激を基本とする。
- 出血傾向のある患者や抗凝固薬使用者には刺絡を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 精神的な興奮や不眠には、少衝(HT9)を神門(HT7)、百会(GV20)と組み合わせ、安神作用を高めます。
- 心胸部の不快感や動悸には、少衝(HT9)を内関(PC6)、巨闕(CV14)と併用して気機を調えます。
- 高熱・意識障害などの救急的な症状には、少衝(HT9)の刺絡を十宣穴と併用するのが有効です。
- 手指の麻痺・しびれには、少衝(HT9)を合谷(LI4)、曲池(LI11)と組み合わせて上肢の血流改善と鎮痛を狙います。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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