名称
- 和名:曲池(きょくち)
- 経穴:手の陽明大腸経(LI11)
- 英名:Quchi (LI11)
取穴(位置・取り方)
- 肘を屈曲したときにできる肘窩横紋の外端に取る。
- 触診のコツ:肘を曲げてできるしわの外側で、橈側にある骨(上腕骨外側上顆)の前方陥凹に圧痛が出やすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋:腕橈骨筋、大腿三頭筋外側頭の起始部。
- 血管:橈側側副動脈・橈側側副静脈。
- 神経:橈骨神経浅枝、筋皮神経。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱涼血:高熱・炎症・皮膚疾患に応用。
- 通絡止痛:肘・腕の痛みを改善。
- 降圧安神:高血圧や精神不安に用いる。
臨床応用(発熱・皮膚疾患・高血圧など)
- 発熱・感冒:解熱・消炎作用。
- 皮膚疾患:蕁麻疹、湿疹、アトピー性皮膚炎。
- 高血圧:頭痛・めまい・耳鳴りを伴うタイプに。
- 肘関節痛:テニス肘、肘部の運動障害。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.20–0.30mm、長さ30–50mm
- 刺入方向と深さ:
- 皮膚に対して直刺またはやや斜めに刺す。
- 0.5–1寸(約15–25mm)を目安。
- 操作:炎症や発熱には瀉法、関節痛には捻鍼・雀啄を適宜使用。
- 注意点:深刺で橈骨神経浅枝への刺激に注意。
禁忌・注意
- 局所に強い炎症や化膿がある場合は刺鍼を避ける。
- 深刺しによる神経損傷に注意。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 発熱・感冒:曲池+合谷(LI4)+風池(GB20)。清熱解表の基本組み合わせ。
- 高血圧・頭痛:曲池+太衝(LR3)+百会(GV20)。肝陽上亢を鎮める。
- 皮膚疾患:曲池+血海(SP10)+三陰交(SP6)。血熱を冷まし湿をさばく。
- 肘関節痛:曲池+手三里(LI10)+外関(TE5)。局所と経絡の調整に有効。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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