血海まとめ：効能・取穴・関連症状

名称

• 和名：血海（けっかい）
• 経穴：足の太陰脾経（SP10）
• 英名：Xuehai (SP10)

取穴（位置・取り方）

• 大腿前内側、膝蓋骨内上縁の上方2寸に取穴。
• 膝蓋骨内上角から大腿内側を2寸上に上がり、内側広筋隆起部の陥凹に位置。
• 「血の海」の名の通り、血証（瘀血や血熱）に用いられる代表的な経穴。

解剖（近接構造）

• 皮下に縫工筋。
• 深部に大腿四頭筋（内側広筋）。
• 血管：大腿動脈・伏在静脈の分枝。
• 神経：大腿神経の筋枝。

東洋医学的機能（要点）

• 活血化瘀：瘀血を取り除き、血行を促す。
• 涼血止血：血熱による出血・皮膚症状に有効。
• 調経止痛：月経不調や月経痛の要穴。
• 清熱解毒：皮膚疾患・蕁麻疹・湿疹などに応用。

臨床応用（関連症状）

• 婦人科疾患：月経不順・月経痛・不正出血・更年期障害。
• 血液・循環系：瘀血・下肢の血行不良・静脈瘤。
• 皮膚疾患：蕁麻疹・湿疹・瘙痒感。
• 全身症状：冷え・倦怠感・貧血傾向。

刺鍼法（安全重視）

• 推奨針サイズ：直径0.20–0.30mm、長さ40–50mm
• 刺入方向と深さ：
• 直刺：1.0–1.5寸（約25–40mm）。
• 筋腹に刺入し、響きを得る。
• 操作：活血化瘀には瀉法、虚弱体質には補法。
• 保持時間：10–20分。
• 灸の使用：温灸よりも鍼の方が頻用されるが、冷えを伴う血行不良には有効。

禁忌・注意

• 妊娠中は下腹部・大腿部の強刺激を避ける。
• 動脈が近いため深刺には注意。
• 出血傾向のある患者では瀉法を控える。

臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

• 月経痛・月経不順：血海（SP10）＋三陰交（SP6）＋関元（CV4）。
• 皮膚疾患・湿疹：血海（SP10）＋曲池（LI11）＋合谷（LI4）。
• 下肢血行不良・静脈瘤：血海（SP10）＋陰陵泉（SP9）＋足三里（ST36）。
• 冷え・倦怠感：血海（SP10）＋足三里（ST36）＋気海（CV6）。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。