名称
- 和名:陽池(ようち)
- 経穴:手の少陽三焦経(TE4)
- 英名:Yangchi (TE4)
取穴(位置・取り方)
- 手関節背側、総指伸筋腱と小指伸筋腱の間、手関節背横紋上に取穴。
- 手関節を軽く背屈させると腱が浮き上がり取りやすい。
- 三焦経の原穴で、経気の調整に重要。
解剖(近接構造)
- 皮下に総指伸筋腱・小指伸筋腱。
- 深部に手根骨(月状骨・有頭骨など)。
- 血管:背側手根動脈網。
- 神経:橈骨神経浅枝の枝。
東洋医学的機能(要点)
- 疏通三焦:三焦経の原穴として全身の気化を調整。
- 清熱利水:体内の水分代謝・むくみ・小便不利を改善。
- 調和経絡:手首や肩、耳の不調に作用。
- 安神作用:心身の緊張・情緒不安定を鎮める。
臨床応用(関連症状)
- 運動器系:手関節痛・腱鞘炎・リウマチ。
- 泌尿器系:排尿困難・浮腫・尿量減少。
- 耳鼻科:耳鳴り・難聴・咽喉腫痛。
- 精神・自律神経:ストレス・不眠・心身不調。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ15–30mm。
- 刺入方向と深さ:
- 直刺 0.3–0.5寸(約10–15mm)。
- 関節腔への深刺は避ける。
- 保持時間:10–15分。
- 灸:温灸も有効、特に泌尿器系の不調や冷えに用いる。
禁忌・注意
- 関節包を傷つけるほどの深刺は禁止。
- 急性炎症や腫脹部には刺鍼を避ける。
- 血管・神経損傷に注意。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 手関節痛・腱鞘炎:陽池(TE4)+外関(TE5)+合谷(LI4)。
- 浮腫・排尿障害:陽池(TE4)+陰陵泉(SP9)+太谿(KI3)。
- 耳鳴り・難聴:陽池(TE4)+聴宮(SI19)+風池(GB20)。
- ストレス・自律神経調整:陽池(TE4)+内関(PC6)+百会(GV20)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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