名称
- 和名:聴宮(ちょうきゅう)
- 経穴:手の太陽小腸経(SI19)
- 英名:Tinggong (SI19)
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:咬筋の前縁、側頭筋腱。
- 神経:顔面神経、三叉神経第3枝(下顎神経)の枝。
- 血管:浅側頭動脈の枝。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 聴覚を調える:耳鳴り、難聴など耳疾患の要穴とされた。
- 経気を疏通する:小腸経が耳に上行する経路上にあり、局所の気血の流れを改善するとされた。
- 顎関節を調整する:咀嚼や口の開閉に関与するため、顎関節症にも応用された。
古典的応用例
- 耳疾患:耳鳴、難聴、耳閉感。
- 顎関節症状:開口障害、咀嚼痛。
- 歯痛:特に下顎部の歯痛に応用された記載がある。
- 顔面神経麻痺:耳前部から口周囲までの麻痺症状に対して用いられた。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺またはやや斜めに刺入。
- 刺入深度:0.5〜1.0寸程度。
- 注意点:深刺すると顎関節や耳の構造に影響を及ぼすため、適度な深さにとどめる。
- 灸法:通常はあまり用いられないが、耳鳴に対して古典的に記載がある。
※本まとめは古典的記載をもとにした教育的資料です。実際の施術は必ず有資格者のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 深刺により顎関節の損傷や強い痛みを引き起こす可能性がある。
- 耳周囲の炎症が強い場合は避ける。
- 清潔管理を十分に行うこと。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 耳鳴・難聴:耳門(TE21)、聴会(GB2)と並用し、耳の三要穴としてセットで使うとされる。
- 顎関節症:頬車(ST6)、下関(ST7)と組み合わせて、咀嚼筋群と顎関節の調整を図る。
- 顔面神経麻痺:迎香(LI20)、地倉(ST4)と組み合わせて、口角や表情筋の機能回復を助ける。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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