名称
- 和名:耳門(じもん/じもん)
- 経穴:手の少陽三焦経(TE21)
- 英名:Ermen (TE21)
取穴(位置・取り方)
- 耳珠(耳の前の小突起)のやや前方で、下顎関節突起の後縁、耳前部の陥凹に取る。
- 口を開けると陥凹が明らかになるので、開口時に取穴する。
- 聴宮(SI19)、聴会(GB2)と隣接し、「耳の三要穴」と呼ばれる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:咬筋前縁。
- 神経:顔面神経の枝、耳介側頭神経。
- 血管:浅側頭動脈の枝。
- 構造物:直下に下顎関節突起が位置する。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 耳を開通:耳鳴、難聴、耳閉塞に用いられた。
- 経気を通調:三焦経の要穴として耳周囲の気血の流れを整えるとされた。
- 局所鎮痛:顎関節周囲の痛みを和らげる目的で応用された。
古典的応用例
- 耳鳴、難聴、中耳炎。
- 耳の充満感や閉塞感。
- 顎関節痛、開口障害。
- 頭痛、側頭部痛。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺またはやや後上方への斜刺。
- 刺入深度:0.3〜0.5寸。
- 注意点:下顎関節突起の直上にあるため、開口時に取穴し、刺鍼は深刺を避ける。
- 灸法:耳鳴や難聴に対し、古典的に灸が応用された例がある。
※本まとめは古典的記載をもとにした教育的資料です。実際の施術は必ず有資格者の判断のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 顎関節に近接するため、強刺激や深刺は避ける。
- 局所の感染や炎症がある場合は施術を控える。
- 刺鍼時の清潔保持を徹底する。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 耳疾患:聴宮(SI19)、聴会(GB2)と併用し、耳鳴・難聴に応用された。
- 顎関節症:下関(ST7)、頬車(ST6)と組み合わせ、咀嚼や開口障害に対応した。
- 耳疾患+全身調整:風池(GB20)、太谿(KI3)と組み合わせ、肝腎の不足や風邪による耳症状に応用された。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿