陰陵泉まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:陰陵泉(いんりょうせん)
  • 経穴:足の太陰脾経(SP9)
  • 英名:Yinlingquan (SP9)


取穴(位置・取り方)

  • 脛骨内側顆の下縁、脛骨内側面と脛骨後縁の間の陥凹部
  • 触診のコツ:膝を軽く曲げ、脛骨内側顆をたどって下がるとくぼみがあり圧痛点になりやすい。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚、皮下組織。
  • 筋層:縫工筋、薄筋、半腱様筋の停止部付近。
  • 血管:大伏在静脈、後脛骨動脈・静脈の分枝。
  • 神経:伏在神経、脛骨神経の枝。


東洋医学的機能(要点)

  • 利水滲湿:水分代謝を促し、むくみ・小便異常に用いる。
  • 健脾和胃:消化器機能を整える。
  • 調経止痛:婦人科疾患(生理痛・月経不順)にも応用。


臨床応用(浮腫・消化器症状・婦人科疾患)

  • 浮腫・尿量減少:水分代謝を促進。
  • 下痢・腹部膨満:脾胃虚弱や湿困脾胃の改善。
  • 月経痛・月経不順:血行と水分代謝の調整を兼ねる。
  • 他適応:膝内側痛(鵞足炎部位と近接)、関節水腫。


刺鍼法(安全重視)

  • 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–50mm
  • 刺入方向と深さ
    • 皮膚に対して直刺またはやや後方へ斜刺。
    • 0.5–1.0寸(約15–25mm)を目安。
  • 操作:軽く捻鍼や雀啄。浮腫や下痢には得気を伴うやや強めの刺激を使うことも。
  • 注意点:深刺しで後脛骨動静脈・神経を損傷しないよう角度に留意。


禁忌・注意

  • 膝関節部の急性炎症や強い腫脹がある場合は刺鍼を避ける。
  • 抗凝固薬服用者は出血に注意。
  • 妊婦への使用は全身状態を確認し慎重に(特に妊娠中期以降)。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

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