天枢まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:天枢(てんすう)
  • 経穴:足の陽明胃経(ST25)
  • 英名:Tianshu (ST25)


取穴(位置・取り方)

  • 臍(へそ)の外側、左右に2寸の位置。
  • 覚え方:おへそから指2本分(約3cm強)外側のくぼみを探す。
  • 体格差がある場合は「指2本分」ではなく寸法(基準寸)で確認すること。


解剖(近接構造)

  • 表層には皮膚・皮下組織、腹直筋。
  • 深部には腹腔内臓器(小腸・大腸)が近く、刺鍼時には角度・深さに注意。
  • 血管:上腹壁動脈・静脈。
  • 神経:第10肋間神経前皮枝。


東洋医学的機能(要点)

  • 理気和中(気滞を整えて腹部症状を改善)
  • 健脾和胃(消化器機能を整える)
  • 通便止瀉(便秘にも下痢にも用いられる調整作用)


臨床応用(便秘・下痢・腹痛など)

  • 便秘:天枢を左右同時に刺激して腸蠕動を促進。
  • 下痢・過敏性腸症候群:腹部の気滞・寒湿を整える目的で使用。
  • 腹痛・鼓腸:胃腸の機能低下や気滞による腹部不快感に有効。
  • 他適応:月経痛(腹部症状を伴う場合)、消化器系全般。


刺鍼法(安全重視)

  • 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–50mm
  • 刺入方向と深さ
    • 皮膚に対して垂直またはやや斜め内方に刺入。
    • 0.8–1.5寸(約20–40mm)を目安に。やせ型ではやや浅めに、肥満では深めに。
  • 操作:軽い捻鍼・雀啄で腸の動きを促す。腹鳴が出ることもある。
  • 注意点:腹腔臓器が近いため、深刺し・強刺は避ける。常に体格に応じて調整。


禁忌・注意

  • 妊婦は原則禁忌(子宮収縮を誘発する可能性)。
  • 急性腹症(虫垂炎など)が疑われる場合は医療機関受診を優先。
  • 強い圧痛やしこりがある部位への無理な刺鍼は避ける。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション(便秘・下痢向け)

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