名称
- 和名:人迎(じんげい)
- 経穴:足の陽明胃経(ST9)
- 英名:Renying (ST9)
取穴(位置・取り方)
- 頸部、喉頭隆起の外方で、胸鎖乳突筋の前縁、総頸動脈拍動部に取る。
- 喉頭隆起と胸鎖関節を結ぶ線上のほぼ中点にあたる。
- 総頸動脈を避けつつ、拍動を指標にすることが多い。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織、広頸筋。
- 筋肉:胸鎖乳突筋。
- 神経:頸神経叢の枝、副神経。
- 血管:総頸動脈(拍動部)。
- その他:迷走神経、頸動脈洞に近接。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 降気利咽:咽喉部の腫痛や呼吸の不利を和らげるとされた。
- 調気安神:気逆や精神不安に応用されたと伝えられる。
- 通絡止痛:頭頸部の経絡を調え、痛みを和らげると記されている。
古典的応用例
- 咽喉疾患:咽喉腫痛、咳嗽、喘息。
- 循環・代謝症状:高血圧に関連して応用されたと伝えられる。
- 精神神経症状:不安、めまい、気逆など。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:0.3〜0.5寸、直刺または平刺。
- 古典的記載:咽喉腫痛、喘息、頭痛などに用いられた。
- 灸法:直接灸・隔物灸が伝えられている。
※本記事は古典文献に基づく教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。総頸動脈・頸動脈洞が近接するため、刺鍼には重大な危険が伴い、必ず国家資格を持つ専門家の指導のもとで行ってください。
禁忌・注意(参考)
- 総頸動脈の直上にあるため、深刺や過度な刺激は極めて危険。
- 強い刺激は失神や循環系への影響を及ぼす可能性がある。
- 臨床では特に慎重に取り扱うべき経穴。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 咽喉疾患:豊隆(ST40)、廉泉(CV23)と組み合わせられることがあった。
- 気逆・めまい:内関(PC6)、太衝(LR3)とあわせて調整を図る。
- 精神安定:神門(HT7)、心兪(BL15)と併用することがあった。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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