名称
- 和名:天鼎(てんてい)
- 経穴:手の陽明大腸経(LI17)
- 英名:Tianding (LI17)
取穴(位置・取り方)
- 胸鎖乳突筋の外縁、喉頭隆起の外側で、天鼎(LI17)は扶突(LI18)の下方1寸に取る。
- 胸鎖乳突筋を軽く緊張させると位置を確認しやすい。
- 咽喉や気管の外側、やや後方の陥凹部を探ると分かりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:胸鎖乳突筋の外縁部。
- 神経・血管:外頸静脈、頸動脈、頸神経叢が近接。刺鍼は浅く行う。
東洋医学的機能(要点)
- 利咽・理気:咽喉の腫痛、発声障害、咳嗽などを改善。
- 清利上焦:痰の停滞による咽喉閉塞感、梅核気(喉の異物感)に有効。
- 局所治療:頸部の腫脹・リンパ節腫大に用いる。
臨床応用(咽喉疾患・頸部症状など)
- 咽喉疾患:咽頭炎、喉の腫れ、扁桃炎、発声困難。
- 呼吸器疾患:咳嗽、痰の停滞、梅核気。
- 頸部症状:頸部リンパ節炎、甲状腺腫。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ(初心者向け):
- 皮膚に対してやや外側へ向けて斜刺、深さ0.3–0.5寸(約5–10mm)。
- 深刺は頸動脈や迷走神経への影響があるため禁忌。
- 保持時間:10–15分。
- 灸法:灸はあまり用いないが、軽い温灸は慢性咽頭炎に有効。
禁忌・注意
- 頸動脈・外頸静脈が近接するため、深刺は厳禁。
- 咽頭炎や急性扁桃炎など強い炎症期には灸を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 咽頭炎・喉の痛み:天鼎(LI17)+扶突(LI18)+廉泉(CV23)。
- 咳嗽・痰多:天鼎(LI17)+尺沢(LU5)+膻中(CV17)。
- 梅核気:天鼎(LI17)+天突(CV22)+内関(PC6)。
- 発声障害:天鼎(LI17)+合谷(LI4)+翳風(TE17)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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