名称
- 和名:大腸兪(だいちょうゆ)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL25)
- 英名:Dachangshu (BL25)
取穴(位置・取り方)
- 腰部、第4腰椎棘突起の下縁(腰陽関〈GV3〉の高さ)で、後正中線の外方1.5寸に取穴。
- 腸の働きを整える要穴で、「大腸の背兪穴」とされる。
- 腰痛と腸疾患(便秘・下痢)に広く応用される。
解剖(近接構造)
- 皮下に僧帽筋下部線維・広背筋腱膜・腰背腱膜。
- 深層には最長筋・多裂筋。
- 支配神経:腰神経後枝。
- 血管:腰動脈・静脈の枝。
東洋医学的機能(要点)
- 理腸化滞:腸の機能を整え、便秘・下痢を改善。
- 疏通経絡・止痛:腰部や下肢の経絡を調整し、腰痛を和らげる。
- 健脾和胃:脾胃の働きを助け、消化吸収を促進。
臨床応用(関連症状)
- 消化器疾患:便秘・下痢・腸炎・腹痛・過敏性腸症候群(IBS)。
- 腰部疾患:腰痛・坐骨神経痛。
- 全身症状:慢性疲労・冷え性(腸の虚弱に伴う)。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.20–0.30mm、長さ40–60mm
- 刺入方向と深さ:
- 直刺:0.8–1.2寸(約20–30mm)。
- 患者の体格により適宜調整する。
- 操作:補瀉いずれも可。便秘には瀉法、下痢には補法を用いる。
- 保持時間:10–20分。
- 灸の使用:便秘や冷え性に有効。棒灸や台座灸で温める。
禁忌・注意
- 過度な深刺で脊椎や神経に障害を与えないように注意。
- 炎症・外傷がある場合は施術を控える。
- 妊娠中は強刺激を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 便秘:大腸兪(BL25)+天枢(ST25)+合谷(LI4)。
- 下痢・腸炎:大腸兪(BL25)+足三里(ST36)+陰陵泉(SP9)。
- 腰痛:大腸兪(BL25)+腰陽関(GV3)+腎兪(BL23)。
- IBS・ストレス由来:大腸兪(BL25)+中脘(CV12)+気海(CV6)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿