名称
- 和名:巨骨(ここつ)
- 経穴:手の陽明大腸経(LI16)
- 英名:Jugugu (LI16)
取穴(位置・取り方)
- 肩の外側部、肩峰外端と鎖骨の間のくぼみに取る。
- 肩髃(LI15)の上方に位置し、肩関節の可動域を広げる操作で触れやすい。
- 肩関節周囲炎や肩背部疾患で応用されてきた要穴。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:僧帽筋、棘上筋、三角筋。
- 神経:鎖骨上神経、腋窩神経、肩甲上神経。
- 血管:肩峰枝、肩甲上動脈。
- 関節:肩鎖関節、肩関節包。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 舒筋活絡:肩背部や上肢の経絡を疏通させる目的で用いられた。
- 理気止痛:肩関節周囲の痛みや運動障害の調整に応用された。
- 清利気道:咳嗽や気喘に配穴されることもあった。
古典的応用例
- 肩関節疾患:肩背部の強直・運動障害。『甲乙経』には「肩痛・挙がらざるを治す」とある。
- 頸項疾患:項強、肩背の拘急。『鍼灸甲乙経』でも肩背部の硬直への記載がある。
- 呼吸器疾患:咳嗽・喘息に応用された例もみられる。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:0.5〜1寸、直刺または斜刺。
- 古典的記載:肩関節痛や挙上困難に用いられるとされる。
- 灸法:局所の冷えや痛みに対して応用された。
※本記事は古典文献を整理した教育的まとめであり、現代医療の効果を示すものではありません。深部には肺尖が位置するため、刺鍼方向・深度には特に注意が必要です。
禁忌・注意(参考)
- 刺鍼の深度・方向を誤ると気胸の危険がある。
- 局所に神経・血管が走行するため、刺激量に注意する。
- 未熟な施術者による深刺は厳禁。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 肩関節周囲炎・五十肩:肩髃(LI15)、肩髎(TE14)と組み合わせて、肩関節の可動域改善を図った。
- 肩背のこわばり:天宗(SI11)、魄戸(BL42)と併用し、肩甲背部の疏通を図った。
- 項強・頸肩部の症状:合谷(LI4)、風池(GB20)と合わせて、頸項部の緊張を緩和する配穴が行われた。
- 咳嗽・喘息:欠盆(ST12)、天突(CV22)と組み合わせて、呼吸器系への調整を図った。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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