魄戸まとめ：効能・取穴・関連症状

名称

• 和名：魄戸（はくこ）
• 経穴：足の太陽膀胱経（BL42）
• 英名：Pohu (BL42)

取穴（位置・取り方）

• 第3胸椎棘突起の下縁から外方3寸に取る。
• 肩甲間部の外側寄りで、肩甲骨内縁に近い部位に位置する。
• 肺兪（BL13）の外方にあたり、肺の働きと関係づけられてきた。

解剖（近接構造）

• 表層：皮膚、皮下組織。
• 筋肉：僧帽筋、菱形筋、脊柱起立筋。
• 神経：肩甲背神経、胸神経後枝。
• 血管：肋間動脈後枝。
• 深部：肺尖部（深刺で気胸の危険あり）。

東洋医学的機能（要点・古典的記載）

• 宣肺理気：肺気の巡りを助け、呼吸を調えると記されている。
• 安魄寧神：精神安定を図る目的で用いられた。
• 止咳平喘：咳嗽や喘息に応用されたと伝えられている。

古典的応用例

• 呼吸器症状：咳嗽、喘息、痰多などに選穴された。
• 精神神経症状：悲しみや憂鬱感、不眠などに応用された。
• 肩背部症状：肩甲間部の張りや痛みに用いられた。

刺鍼法（古典的記載・参考）

• 刺入方法：0.3〜0.5寸、斜刺または平刺。
• 古典的記載：咳嗽、喘息、精神不安などに応用された。
• 灸法：温灸や隔物灸が行われたことがある。

※本記事は古典文献に基づく教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。肺が近いため、施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。

禁忌・注意（参考）

• 深刺は肺を損傷し気胸を起こす危険があるため、必ず浅刺・斜刺で行う。
• 瘦せ型の人では特に注意が必要。

臨床のコツ・組み合わせ（古典的視点）

• 咳嗽・喘息：肺兪（BL13）、列缺（LU7）と組み合わせて応用された。
• 精神安定：神門（HT7）、心兪（BL15）と併用し、心神安定を図った。
• 肩背部痛：膈兪（BL17）、附分（BL41）と組み合わせて肩背部の緊張を和らげた。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。