少海まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:少海(しょうかい)
  • 経穴:手の少陰心経(HT3)、合水穴
  • 英名:Shaohai (HT3)


取穴(位置・取り方)

  • 肘を曲げたとき、肘内側横紋の尺側端、上腕骨内側上顆と尺骨の間の陥凹部に取る。
  • 肘を軽く屈曲させると取りやすい。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋肉:円回内筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋。
  • 神経:尺骨神経。
  • 血管:尺側側副動脈、尺骨動脈分枝。


東洋医学的機能(要点)

  • 清熱作用:心火を清し、炎症や熱症状を鎮める。
  • 安神作用:心神不安、不眠、精神不安に有効。
  • 通絡止痛:肘関節痛、手の麻痺・震えに効果。


臨床応用(心火亢進・不眠・肘関節疾患など)

  • 心火亢進による動悸、精神不安、顔面紅潮などには、少海(HT3)を神門(HT7)通里(HT5)と組み合わせて用いると安神効果が高まります。
  • 不眠や健忘、焦燥感には、少海(HT3)を霊道(HT4)陰郄(HT6)と合わせて使い、心経全体のバランスを整えます。
  • 肘関節の腫脹や疼痛、上肢の麻痺や振戦には、少海(HT3)を曲池(LI11)手三里(LI10)と合わせて用いると、局所の循環改善と鎮痛に効果的です。
  • 小児のひきつけや高熱によるけいれんには、少海(HT3)を大椎(GV14)百会(GV20)と組み合わせて鎮静を図ります。



刺鍼法(安全重視)

  • 刺入方法:直刺または斜刺、0.5〜1寸。
  • 注意点:深刺は尺骨神経損傷の恐れがあるため、方向と深さに注意。
  • 灸法:知熱灸・温灸が可能。慢性の肘痛や心神安定に補助的に用いる。


禁忌・注意

  • 深刺により尺骨神経を損傷しやすいので要注意。
  • 炎症性の強い局所症状には過度の刺激を避ける。
  • 発熱や感染性疾患の急性期には直接の強刺激を避ける。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 少海(HT3)は「心火を清す」合水穴としての応用が多く、精神的な不安や不眠から、肘関節の局所疾患まで幅広く使えます。
  • 精神的な不安や動悸が強い患者には、少海(HT3)と神門(HT7)通里(HT5)を組み合わせ、心経の経路に沿って心気を安定させるのが有効です。
  • 肘や上肢のしびれ・麻痺など運動器症状には、少海(HT3)を曲池(LI11)手三里(LI10)外関(TE5)と併用し、局所の気血循環を改善します。
  • 心因性の不眠やストレス関連症状には、少海(HT3)を陰郄(HT6)百会(GV20)と組み合わせることで安神効果がより高まります。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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