名称
- 和名:商陽(しょうよう)
- 経穴:手の陽明大腸経(LI1)、井穴
- 英名:Shangyang (LI1)
取穴(位置・取り方)
- 示指の橈側爪甲角の近位外側1分、爪甲根部外側角の0.1寸に取る。
- 爪の生え際の外側で、軽く押すと圧痛を確認できる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 神経:橈側指神経。
- 血管:指背動脈。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱瀉火:陽明経の熱を取り去り、咽喉や頭面部の炎症を鎮める。
- 開竅醒神:意識障害や卒中急性期の応急処置に用いられる。
- 通経活絡:指先から経絡を開き、経気を流す。
臨床応用(頭頸部症状・急性症状)
- 急性の咽喉腫痛や扁桃炎には、商陽(LI1)を少商(LU11)、魚際(LU10)と組み合わせ、炎症と腫脹を鎮めます。
- 高熱や意識障害には、商陽(LI1)を少商(LU11)、大椎(GV14)とあわせ、清熱開竅を図ります。
- 歯痛や顔面の熱症状には、商陽(LI1)を合谷(LI4)、曲池(LI11)と組み合わせ、陽明経の実熱を鎮めます。
刺鍼法(安全重視)
- 刺入方法:浅刺、0.1–0.2寸(約2–5mm)。
- 刺鍼技法:瀉法で雀啄や出血させると急性症状に効果的。
- 灸法:小灸頭灸を1~3壮。冷えを伴う指先の循環障害に有効。
禁忌・注意
- 深刺は不要で、出血時は圧迫止血を徹底。
- 糖尿病や血液疾患で感染・出血リスクが高い場合は注意。
- 体力が極端に低下している患者では強い瀉法を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 急性咽頭炎や扁桃炎には、商陽(LI1)を少商(LU11)、魚際(LU10)と組み合わせて清熱・消炎を行います。
- 発熱や意識障害には、商陽(LI1)を少商(LU11)、大椎(GV14)とあわせて開竅醒神を図ります。
- 歯痛や顔面部の熱感には、商陽(LI1)を合谷(LI4)、曲池(LI11)と組み合わせて陽明経の実熱を鎮めます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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