名称
- 和名:孔最(こうさい)
- 経穴:手の太陰肺経(LU6)、郄穴
- 英名:Kongzui (LU6)
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:橈側手根屈筋、長母指外転筋腱の近傍。
- 神経:橈骨神経浅枝。
- 血管:橈骨動脈の分枝。
東洋医学的機能(要点)
- 清肺止咳:肺の熱や痰をさばき、咳嗽や喘息に効く。
- 止血作用:咯血、鼻出血に用いられる。
- 疏通経絡:前腕の疼痛・痺れを改善する。
臨床応用(呼吸器疾患・急性症状)
- 急性の咳嗽や喀血には、孔最(LU6)を魚際(LU10)、経渠(LU8)と組み合わせて用い、肺経の熱を鎮めて止血を図ります。
- 慢性の喘息や気管支炎には、孔最(LU6)を太淵(LU9)、列缺(LU7)とあわせて用い、肺気を補い呼吸を安定させます。
- 前腕の筋肉痛や痺れには、孔最(LU6)を合谷(LI4)、曲池(LI11)とあわせて経絡を疏通します。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ30–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 直刺で0.5–1.0寸(約10–25mm)。
- 橈骨動脈に注意しながらやや橈側へ刺入。
- 保持時間:10–15分。急性症状では瀉法、慢性症状では補瀉兼用。
- 灸法:慢性呼吸器疾患や虚証体質には温灸を追加すると良い。
禁忌・注意
- 動脈が近接するため深刺・誤刺に注意。
- 出血傾向がある患者には刺鍼を慎重に行う。
- 急性炎症や高熱時は強刺激を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 急性の咳嗽・咽頭痛には、孔最(LU6)を魚際(LU10)、少商(LU11)とあわせて用い、肺経の熱を清し呼吸を楽にします。
- 喀血や鼻出血には、孔最(LU6)を合谷(LI4)、内関(PC6)とあわせて止血を補助します。
- 前腕の疼痛・痺れには、孔最(LU6)を曲池(LI11)、手三里(LI10)と組み合わせ、気血を通じて運動機能を改善します。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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