名称
- 和名:魚際(ぎょさい)
- 経穴:手の太陰肺経(LU10)、滎火穴
- 英名:Yuji (LU10)
取穴(位置・取り方)
- 手掌の母指球部、第一中手骨の中点の赤白肉際に取る。
- 母指球の盛り上がりの中心あたりで、押すと圧痛を感じやすい部位。
解剖(近接構造)
東洋医学的機能(要点)
臨床応用(咽喉疾患・呼吸器疾患など)
- 咽頭痛や扁桃炎には、魚際(LU10)を少商(LU11)、合谷(LI4)と組み合わせて清熱利咽を図ります。
- 咳嗽や気管支炎には、魚際(LU10)を列缺(LU7)、太淵(LU9)とあわせて施術すると、宣肺止咳の効果が高まります。
- 口渇や口内炎には、魚際(LU10)を少商(LU11)、内庭(ST44)と併用し、清熱・消炎作用を強めます。
- 不眠やストレス過多には、魚際(LU10)を神門(HT7)、太衝(LR3)とあわせ、心肺を調和し安神を助けます。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.20mm、長さ25mm程度。
- 刺入方向と深さ:
- 直刺または斜刺で0.3–0.5寸(約5–10mm)。
- 圧痛が出やすいため、軽刺激で十分。
- 保持時間:10–15分。急性炎症では軽刺激で短時間。
- 灸法:あまり用いないが、冷えを伴う咳には温灸を加えることもある。
禁忌・注意
- 手掌は神経・血管が密集しているため深刺を避ける。
- 強刺激は痛みを生じやすく、かえって逆効果になる場合がある。
- 熱性疾患の灸は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 咽頭痛や失声には、魚際(LU10)を少商(LU11)、合谷(LI4)と併用すると速効性があります。
- 咳嗽・喘息などの呼吸器症状では、魚際(LU10)を列缺(LU7)、太淵(LU9)と組み合わせると、肺気を調整して呼吸を安定させます。
- 口渇や口腔炎には、魚際(LU10)を内庭(ST44)、少商(LU11)とあわせると清熱瀉火の効果を高めます。
- 精神的ストレスや不眠では、魚際(LU10)を神門(HT7)、太衝(LR3)と組み合わせ、心身を鎮めて安眠を助けます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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