肩井まとめ:効能・取穴・関連症状
名称
- 和名:肩井(けんせい)
- 経穴:足の少陽胆経(GB21)
- 英名:Jianjing (GB21)
取穴(位置・取り方)
- 大椎(第7頸椎棘突起)と肩峰外端を結んだ線の中点。
- 僧帽筋の最も盛り上がる位置を触れて確認。
- 肩を軽く持ち上げたり首を傾けると、位置がより明確になる。
解剖(近接構造)
- 僧帽筋、肩甲挙筋の表層付近に位置。
- 副神経、頸神経叢(鎖骨上神経)の枝が近くを走行。
- 刺鍼時は肺尖に注意が必要なため、深刺は避ける。
東洋医学的機能(要点)
- 肩・頸部の気血の滞りを散らし、こわばりを緩和。
- 頭部への気の上衝を抑え、頭痛・めまいを改善。
- 情志やストレスによる気滞を緩め、安眠を助ける。
- 胸部や乳腺の緊張を和らげる。
臨床応用(肩こり・しびれなど)
- 肩こり・首こりの代表的経穴。
- 頭痛・めまいを伴う肩こりに有効。
- デスクワークやスマホ姿勢による肩上がりの緊張に。
- 夜間痛や睡眠障害を伴う肩の張り。
- 乳腺炎・乳汁分泌不全などの乳腺トラブル。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨刺入:浅刺または斜刺、0.5〜1寸程度を目安。
- 刺激は中等度で、得気を軽く確認する。
- 灸治療:温灸も適応。温熱が僧帽筋の緊張を和らげる。
禁忌・注意
- 妊婦禁忌:分娩促進作用があるため避ける。
- 深刺は肺損傷の危険があるため行わない。
- 皮膚の炎症・創傷部位には刺鍼を行わない。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 局所+遠隔の併用が効果的:肩井を局所に用い、遠隔穴を組み合わせて鎮痛効果を増強。
- 合谷(LI4):肩こり・頭痛のペアで代表的。
- 風池(GB20):首こり・めまい・後頭部の緊張に。
- 曲池(LI11):上肢循環を改善し、肩のこわばりを緩和。
- 膻中(CV17):胸部緊張や乳腺トラブルを伴う場合に。
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