名称
- 和名:脾兪(ひゆ)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL20)
- 英名:Pishu (BL20)
取穴(位置・取り方)
- 第11胸椎棘突起下縁の高さで、後正中線から外方1.5寸に取穴。
- 脾の背部兪穴(脾の臓兪)であり、脾胃の機能調整に重要。
- 腰部で肋骨下部の高さを目安にすると取りやすい。
解剖(近接構造)
- 皮下に僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋。
- 深部には肋間筋、さらに内臓側に脾臓が位置。
- 血管:肋間動静脈。
- 神経:肋間神経後枝。
東洋医学的機能(要点)
- 健脾益気:脾気を補い、食欲不振・倦怠感を改善。
- 運化水湿:消化吸収を助け、浮腫・下痢を治す。
- 止瀉調中:慢性の下痢・腹部膨満に適応。
- 統血作用:出血傾向や皮下出血に用いられる。
臨床応用(関連症状)
- 消化器疾患:胃下垂・慢性胃炎・消化不良・下痢。
- 全身症状:倦怠感・四肢無力・疲労。
- 水湿停滞:浮腫・痰飲・めまい。
- 血症状:不正出血・皮下出血・月経過多。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm
- 刺入方向と深さ:
- 斜刺:内方または外方へ0.5–0.8寸(約10–20mm)。
- 直刺は深部臓器を損傷するリスクがあるため避ける。
- 操作:補法を中心に使用。虚弱体質や倦怠感に温補が有効。
- 保持時間:10–20分。
- 灸の使用:台座灸・棒灸で補脾効果が期待できる。
禁忌・注意
- 深刺は脾臓や腎臓損傷のリスクがあるため禁忌。
- 痩せ型の患者では特に刺入角度に注意。
- 炎症性疾患や急性腹症時の不用意な刺激は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 消化不良・胃下垂:脾兪(BL20)+胃兪(BL21)+足三里(ST36)。
- 慢性下痢:脾兪(BL20)+中脘(CV12)+陰陵泉(SP9)。
- 倦怠感・虚弱体質:脾兪(BL20)+腎兪(BL23)+気海(CV6)。
- 浮腫・痰湿:脾兪(BL20)+三陰交(SP6)+水分(CV9)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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