テーマ
- 坐骨神経痛・下肢痛(腰から殿部、大腿後面、下腿、足にかけての放散痛)
- 対象:腰椎疾患(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症)、梨状筋症候群、下肢循環障害を伴う痛み
- 主な使用経穴: 腎兪(BL23)、 大腸兪(BL25)、 委中(BL40)、 崑崙(BL60)、 環跳(GB30)、 陽陵泉(GB34)
取穴(位置の確認)
- 腎兪(BL23):第2腰椎棘突起下縁の外方1.5寸。
- 大腸兪(BL25):第4腰椎棘突起下縁の外方1.5寸。
- 環跳(GB30):股関節部、殿溝外端と大転子を結んだ点の上1/3。
- 委中(BL40):膝窩横紋の中央、膝窩動脈の上。
- 陽陵泉(GB34):腓骨小頭前下方の陥凹部。
- 崑崙(BL60):外果とアキレス腱の間の陥凹部。
施術法(鍼灸の使い分け)
- 鍼: 環跳(GB30)や 委中(BL40)を主穴に。 放散痛が強い場合は 崑崙(BL60)を加える。 腰椎由来の痛みには 腎兪(BL23)・ 大腸兪(BL25)を補助的に用いる。
- 灸: 冷えや慢性痛がある場合は 腎兪(BL23)・ 委中(BL40)に温灸を併用。
- 頻度:週2回程度。急性期は症状に応じて短期集中治療。
臨床応用と効果
- 腰から殿部への放散痛: 環跳(GB30)+ 腎兪(BL23)で鎮痛効果を高める。
- 大腿後面・下腿痛: 委中(BL40)+ 崑崙(BL60)で経絡上の気血を通す。
- 膝関節周囲や下肢外側のしびれ・痛み: 陽陵泉(GB34)を加えて筋肉・腱の緊張を緩和。
禁忌・注意
- 急性期の強い炎症(発赤・熱感)がある場合は局所刺鍼を避ける。
- 下肢に感覚麻痺や筋力低下が強い場合は、直ちに整形外科的精査が必要。
- 糖尿病や末梢循環障害による下肢痛は鑑別を行う。
臨床のコツ・コンビネーション
- 環跳(GB30)+委中(BL40):坐骨神経痛の基本配穴。
- 腎兪(BL23)+大腸兪(BL25):腰椎由来の痛みに。
- 崑崙(BL60)+陽陵泉(GB34):下腿・足のしびれや外側痛に。
- 慢性例では足三里(ST36)を補助穴として全身の気血を補う。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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